春の日差しの中で
「ん・・・・朝・・か」
目をあけて体を起こす。
「珍しいな・・・目覚ましより早く起きるなんて・・・何時だ今・・」
目覚まし時計に手を伸ばし時間を確認した瞬間・・・・・
俺の時は止まった・・・。
「なにぃ！？８時！？やばいっ！！」
「なんで今日に限って寝坊してるんだ俺は！？
三学期始まってからまだ一回も遅刻してないのにっ！
まだ３日だが・・・。ってそんな事はどーでもいいっ！
着替えないとっ！」
俺は今までの中でおそらく一番のスピードで制服に着替えた。
もし制服に着替えるってオリンピック種目があったら金メダルは頂だな。
「だからそんなバカな事考えている余裕はない！」
いそいで名雪の部屋に向かう。
ドンドン！
「名雪！入るぞ！」
部屋の中にはもちろん天下無敵の爆睡娘が眠っていた。
「名雪っ！起きろ！」
時間が無いので手短に・・・
ゴンッ！！
「うにゅ〜痛い〜・・・、あ、おはよう祐一〜♪」
「おはようじゃないっ！時間無いぞ！！」
「えっ・・・わわっ！大変だよ〜遅刻しちゃう・・・」
「先に下に降りてるから早く用意して降りて来いよ！」
「おはようございます秋子さん！」
「おはようございます祐一さん、朝ご飯・・」
「朝飯はいいですっ！名雪がきたらすぐに出ますんで！」
「祐一〜用意できたよ〜」
「行くぞっ名雪！」
「「行ってきますっ」」
「あらあら・・・ふふっ・・」
「名雪っ時間は？」
「もう間に合わないよ〜」
「くそっ三年になったら遅刻しないって誓ったのに・・・」
「あと３分で予鈴鳴っちゃうよ〜」
「ダメか・・・」
「はぁはぁ・・・」
「着いたけど・・誰もいないね・・・」
「そりゃもう８時３０分過ぎてるからな・・・」
「そうじゃなくて、全然人の気配がしないよ・・」
「えっ・・・」
俺はあたりを見回す・・・確かに誰もいない・・・いつもなら遅刻するやつが少しはいるのに・・・
正門の前で二人で呆然としていると宿直の先生が歩いてきた。
「何だね？忘れ物かね？今日は学校は休みだよ？」
「「えぇっ！？」」
「今学期から週休二日制になって土曜日は休校だって連絡したはずだが・・・」
そういえば石橋がそんな事言った気がする・・・。
「ははっ間違えて来てしまったのか。それじゃあ私は宿直室に戻るから君達も帰りなさい」
そう言って行ってしまった。
「はぁ・・・焦って損した・・・」
「うぅ〜酷いよ祐一・・わたしまだ寝れてたのに・・・」
「ゴメン名雪・・でもお前だって気づいてなかっただろ？」
「そうだけど・・・お母さん教えてくれれば良かったのに・・・」
「多分気づいててわざと言わなかったな・・・はぁ、秋子さん確信犯だからなぁ・・」
「そうだね・・・」
「まぁいいや、ここまで来て帰るのももったいない、せっかくだから中庭でも行こうぜ？」
「うんっ」
俺は歩きだした・・・が
「名雪・・・何だ？この手は・・」
名雪が俺の手を握っていた。
「うぅ〜祐一と手を繋いで学校に入ってみたかったんだよ・・いつもダメだって言うし・・・」
「はぁ・・まぁ今日は誰もいないからいいか・・ほらっ行こうぜ」
「うんっえへへ♪」
中庭に行くと桜が満開だった。
「見事なもんだな・・・」
「綺麗だね〜、ねぇ祐一座ろうよ」
「おう」
ベンチが置いてある桜の木に下に行く。
「静かだな・・・暖かいし」
「そうだね〜眠くなっちゃうよ」
「お前はいつもだろ？」
「うぅ〜酷い事言ってる・・・」
「しかし誰もいない学校ってのもいいもんだな」
「ちょっと寂しいけどね」
そのまましばらく桜の舞い散る中で春の空気を感じていた。
「ねぇ祐一、子供の頃の事、覚えてる？」
「ん・・・あんまり」
「小さな頃にね、春休みに祐一が泊まりに来て、帰っちゃう前日にこうやって二人でお花見したんだよ？」
「そう言えばそんな事もあった気がする・・・」
「それじゃあ気を付けてね」
「うんっ！行って来るねお母さん！」
「行ってきま〜す！」
「こっちだよゆういち！」
「まってよ、なゆき」
「ほらっここだよ！」
「わぁっきれいだね〜」
「でしょう？わたしのひみつの場所なんだ」
「いいの？おれに教えちゃって・・・」
「うん♪今日からふたりのひみつの場所だよ！」
「うんっ！」
「風が気持ちいいね、ゆういち」
「そうだね、でもこんな所で寝ちゃダメだよ？なゆき」
「う〜ひどいよ〜わたしこんな所で寝ないよ〜」
「あはははっほんとか〜？」
「そうだよ〜、もう、ゆういちのイジワル」
「ははっゴメンゴメン」
「ねぇゆういち」
「ん？なに？なゆき」
「来年も、いっしょに来ようね！」
「あぁ！来ような！」
「思い出した・・・家の近くにあった公園の桜の木・・・」
「そう、でも祐一が来たのはそれが最後・・・」
「・・・・ゴメンな、約束守れなくて・・・」
「わたし寂しかったんだからね」
むぅっと拗ねる名雪
「でも・・・祐一は今、こうやって私のそばにいてくれるから・・・」
名雪が身を寄せてくる。
俺は顔を近づけてキスをした。
桜が舞い散る中、春の心地よい風に包まれながら、名雪を抱きしめて。
「もう二度と離さない、ずっとそばにいる・・」
「うんっ・・祐一、大好き・・」
「俺もだ、愛してる・・・」
「祐一っ来年も来ようねっ」
「あぁ、約束だ。絶対来ような・・・」
「「ただいま〜」」
「あら、二人とも早いのね」
楽しそうに秋子さんが出迎えに来た。
「秋子さん・・・知っていたでしょう」
「すいません、あんまりにも慌てていたのでつい・・」
「お母さん酷いよ〜」
「ごめんなさいね名雪、でも楽しかったんじゃないの？二人とも♪」
「「！」」
名雪がみるみる真っ赤になっていく、俺も自分の顔が赤くなるのがわかる。
「お、お母さん〜」
「ふふふ、冗談ですよ。祐一さん、名雪を宜しくお願いしますね」
ぺこっとお辞儀する秋子さん、
「あ、はいっ任せてください」
思わずお辞儀してしまう。
「早く孫の顔が見たいわ・・あら、でもおばあちゃんになっちゃうのね」
「あ、あああ秋子さん！？そんな、俺たちはまだ高校生で、そのっ将来はそういう・・・はっ」
「ゆ、祐一・・・あの・・・それって・・・」
「あ、その・・・名雪、結婚・・してくれるか？指輪はまだだけど・・」
「うんっ・・うんっ・・嬉しいよゆういちぃ」
ポロポロと涙を流しながら言う。
「あ、あの、秋子さん。娘さんを僕に下さい」
俺は自然とそんなセリフが口から出ていた。
「了承、ふつつかな娘ですがよろしくお願いします。」
「祐一♪」
名雪が抱きついてくる
「お、おいっ名雪、秋子さんの目の前で・・・」
「あら、誓いのキスかしら？」
「あ、秋子さんまで〜」
「祐一・・」
名雪がすっと目を閉じる。
俺は恥ずかしさを必死に堪えて名雪にキスをした。
「んっ・・」
「ふふっ・・ふたりとも幸せに・・・」
秋子さんは満足した様子でキッチンに戻って行った。
「「・・・・・」」
「部屋、戻るか・・・」
「う、うん・・・」
「祐一・・」
「ん？・・！」
いきなり名雪にキスされた。
「えへへ♪幸せにしてね」
「当たり前だ、死ぬまで一緒だ」
「うんっ！」
投票結果
久慈光樹 (採点:2)
途中までは良かったのに…… ラストあまりにも……
神代 悠 (採点:2)
荒削りだが、悪くないかな？
烏賊悪魔 (採点:2)
ラストのノリは強引、の印象が拭えない。子供の祐一も私の主観ではちょっとヘンだと感じた。伏線をもっと使うといいと思う
taka (採点:2)
週休２日か・・・。って最後に来た時はあゆあゆの時では？疑問だ・・・。
ヘキサ (採点:1)
内容はぼちぼちだったのですが、展開が急過ぎだと思いました。
Alice (採点:2)
ちょっとありきたりすぎる可能性があるかもしれない。祐一の名雪の日常を演出しているんでしょうけれども、コンペに出品するのであれば、もうちょっとひねりが欲しい。話としてのつかみがどうも弱い。がんば。
殺陣倉Xp (採点:3)
なゆ〜、なゆ〜〜、なぁぁゆうぅぅぅ〜〜♪おれの萌えの心を言葉にして表してみました。なゆ〜〜〜♪
naoki (採点:1)
なにもないですね、これ。中途半端な感じがします。
ASKA (採点:4)
ホンワカしている作品は大好きですね
荒野草途伸 (採点:1)
ちょっと最後がお粗末ですよこれは
ugen (採点:3)
ラストが蛇足になっていた
橘征五郎 (採点:1)
まずは基本的な文章作法の勉強を。会話文でごまかさずに、地の文で情景描写なども書けるように要練習。格キャラの台詞が説明的で不自然。ギャグとしてやっているのなら寒い。水瀬家へ帰ってからの展開が唐突でありきたり。手抜きとしか見えない。
グＥ (採点:2)
こういうほのぼのは好きですが、展開が急すぎる、と感じたのが残念です。
SYN (採点:3)
ちょっと話が急すぎるかな、とはかんじますが、ほのぼのとした感じは好きです。
コーダイ (採点:4)
らぶらぶ・・・いいね
ケイ (採点:4)
ゲップ・・・ごちそうさまです（爆） 温かい昔話も聞けたしラブラブな２人も見れたことだし、満足です。 ただ、最後の最後で若干駆け足ぎみになってしまっているような気がしました。 前半がゆっくりとして穏やかな時間をすごしているので、後半でもその流れを受け継いでほしかったです。 ありがとうございました。
かずき (採点:2)
うん、まあ、まだまだだね。
白 (採点:4)
二人は未来永劫の仲ですね♪
ＪＩＭＭＹ (採点:4)
話の雰囲気が好きです。このＳＳでは「祐一が最後にこの街を訪れた」のは冬休みでなく春休みなんですね。するとこの世界で祐一が来なくなった理由は「あゆ」では無い訳で、なにか名雪絡みのエピソードがあったのかな、と空想しました。
神崎隆一 (採点:1)
急展開なのはいいですが、それを支える説明が少なすぎます。あと文章も分かりにくいです。描写を多く！
り〜だ〜 (採点:4)
いいっす！！幸せです！！秋子さんのキャラがはまってます！
Ｇａｒａ (採点:1)
祐一が最後に街を訪れたのは冬なのに、なんで桜見たのが最後？？プロポーズや承諾も唐突で無理矢理な感じです。プロポーズがテーマなら前半は蛇足だし、ほのぼのがテーマなら後半無理矢理。どちらかに絞るべきでは？
竹仙人 (採点:3)
ハートフルな内容でしたが、会話文に頼りすぎのような気がします。もう少し描写の方にも力を入れれば、もっと良くなるかと。
浮動明王 (採点:3)
オチが唐突というか不自然 ほのぼの系は無理にオチをつけなくても良いと思う
Ｖｉｓ (採点:4)
最初から最後までほのぼのでした。もう少し緩急のメリハリがついても良いかと思います。
Time (採点:2)
ちょっと辛口？ 同人としては、少し原作に頼りすぎて、会話が先行がち…。もう少し、回りの情景を説明してくれたら良かったです。でも、ｋａｎｏｎをやっているので、十分情景は思い浮かびましたし、ストーリーも別段悪くなく、祐一と名雪のラブを楽しめました。
すなふ (採点:2)
もう少し地の文でメリハリがあれば‥‥。幸せそうな空気は、良く伝わってきました。
SHIKOH (採点:4)
甘ったるいですね。でも幸せになって欲しいなぁって思える作品でした。
ひゅう (採点:2)
展開が急過ぎてビックリ
はぐ (採点:1)
「読むのは疲れました」 もう少し、展開を引き伸ばせば良かったかも。ドタバタシーンじゃないところまでドタバタ進んでるので。だからラストシーンで、へ？終わったん？という心境に。
全採点
5点 : 5
4点 : 27
3点 : 63
2点 : 68
1点 : 30
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