「もう一つの奇跡」



「あの子は、近いうちに消えてしまいます。それでもいいのですか??」





私はとても辛かったから。
他の人にそれを体験して欲しくないから。
私と同じようになって欲しくなかったから。

 

 楽しかった。
  真琴と一緒に過ごした日々。
   家に帰ってもずっと一人だった私にとって、あなたは心の支えにもなっていた。

 「おかえり、美汐っ。ねー、あそぼー。」
「はいはい。何して遊ぶの?」
 「マンガ読むの〜〜。」
「それは二人でやることじゃないでしょう・・・・。」
「あぅ・・。」


  でも、それは一瞬のきらめきだった。

「あぅ・・、苦しいょ・・・。みしお・・・」
「寒いなか出かけてるからよ。気をつけなさいよ。看病するのはわたしなんだから〜〜。」

              ・
              ・
              ・
              ・

「あぅ・・・・」
 「真琴??大丈夫??」
 「あぅ・・・・ だい・・・じょうぶ・・・」

              ・
              ・ 
              ・
「真琴! 私がわかる??真琴!!??」
 「・・・・・。」
  「真琴!!!」
    「・・・・・ぁ・・・ぅ・・・」



 
 
 

こんなことに・・・、なるのなら・・・・・。


   なるのなら??


私はどうしただろう? こうなると分かっていたのなら。

 おそらく私は真琴を拒んだだろう。
     それはあまりに酷なものだから。






「あの子は、近いうちに消えてしまいます。それでもいいのですか??」


私が予想していた答えは、真琴を拒むこと。

  



         「あぁ、真琴のそばにいてあげたいんだ。」

予想外の答え。 でも、私が希望していた答え・・・?
 心のどこかで願っていた答え。

   

    あの時の私になかった強さを、この人は持っている。

             救って欲しい。
  
              この人に。
      
           真琴を、救って欲しい。









「ゅう・・いちぃ・・・」
「大丈夫か?? 真琴!?」
「あぅ・・・うん・・・」

 「くそっ・・・・」








「二度目を超えることはないと思ってください」
「・・・・、なんとかならないのか?」
「残念ながら・・・。」
「どうしてもか!?」
「前にも言ったはずです」
「・・・そうか・・・。」

「じゃあ・・・俺に今出来ることは・・・?」
「え・・・・?」


             強い。
     
       この人は、本当に強い心を持っていた。

















「あぅ・・・・。」


ものみの丘。

         あの子の生まれた場所。


    私とあの子の出会った場所。 そして、別れた場所。


  辛い思い出の残る場所。

         相沢さんとあの子が最初に出会った場所。


私と相沢さんを繋げた場所。




  そして・・・・、



        
      奇跡を・・・・・起こせる場所。




  悲しい・・・奇跡?

    犠牲の方が大きい奇跡?

      それは違う。

        あの子が起こしたのは、本当に望んだ奇跡。

 たった、2回だけ。

   たった2回だけの奇跡を受け入れてもらえなかったら、
      
       どんなに悲しいだろう


     私は受け入れられなかった

        
だからといって相沢さんに私は押し付けなかった

  でも、相沢さんはあの子を受け入れた
 
       真実を知ったのに・・・・
















 「天野さん、2年生の水瀬さんて人が読んでるよ」

  「えっ・・・。」

  誰だろう?

 私には友達がほとんどいなかった

  最近何人か出来たけれど、2年生に知り合いは相沢さんしかいない




「あのね、祐一・・・・ぁっ、相沢祐一って知ってるよね?」
「は・・・い」

    ヨクナイ 知らせ?
       
       そんなことはない

       奇跡は続くのだから






「お名前は?」

「あぅ・・・・・」

「お名前は?」

「あぅ・・・・・」

「あぅ・・・、じゃないでしょ。お名前は?」

「ま・・・こと・・・・。」

「まこと? まことでいいの?」

「あぅ・・・・ うん・・・」

「そう、よろしくね、真琴」



許してね、真琴。

もう、私はあなたを拒まないから


















その後、相沢さんとは昼休みとかに良く会う。
 
  他愛無い話ばかりだが。

 最近になって、クラスの子に昼食一緒に食べないか、と誘われることも出てきた



 「天野、最近明るくなったよな」
 「天野さん、最近明るくなったよね。話しかけやすくなった」

相沢さんも、クラスのみんなも、そういってくれる。

生まれ変われた私。

これも奇跡の一つだといったら怒るだろうか?


 ありがとう、相沢さん。

  それに、真琴。 ありがとう。本当に ありがとう。





 





投票結果

ash (採点:1)
最初に出てくる「真琴」と真琴は同じなのでしょうか?それが特に引っ掛かりました。あと、展開のほとんどが本編をなぞらえるだけという印象が拭えません。


ugen (採点:2)
あまり感情を巧く表せていない


naoki (採点:2)
悪くはないですが……。趣向の問題ですか。


taka (採点:3)
美汐が変わってゆくきっかけを、真琴がくれた。真琴が人になれた理由の一つかもしれないですね。と思った作品でした。


名無しさんだよもん (採点:2)
変わった事がテーマなら、変わる過程を描かなければ。いきなり「その後」とか言われても。


Kanade (採点:2)
モノローグだけで、状況説明がないと、分かりにくいです。やぱし。


橘征五郎 (採点:1)
まずは基本的な文章作法の勉強を。誠実なのだが、ただそれだけの作品。本編を他視点から忠実になぞっているだけなのでストーリーの面白さは皆無。それは仕方がないとして、ならこの場合は美汐の心情や文章表現などで魅せなければならないのだが、文章力の不足が原因で残念ながらそれには及んでいない。構成力も不足。ラストシーンは物足りない。冒頭に出てくる「真琴」は美汐が昔出会った妖狐のことだろうか? 「真琴」という名前は祐一の初恋の女性から取られているので、美汐の妖狐も「真琴」という名前なのはおかしい。


Alice (採点:1)
これは違うでしょう?というのが本音。コンペに出すべきSSじゃないと思います。間を扱ったSSというのは、かなり以前から至高錯誤されています。が、今回のコンペではそれが思うように設定できないという部分が最初からあったはず。コンペに出品するSSではありません。評価外。


コーダイ (採点:3)
美汐が明るくなるSSって好きです。


グE (採点:2)
心境描写が作品展開が早すぎて、理解できない部分がちらほらあったのが残念でした。


かずき (採点:2)
美汐の「あの子」も真琴という名前の所に違和感があった。


まちゃる (採点:3)
…美汐の思い出の『妖狐』も真琴なんですか?何か違う気が…。


神崎隆一 (採点:1)
まず最低限誤字のチェックを。あとは説明不足かなって感じです。あと「〜〜。」は一般的に読みにくいとされているので書かないほうが無難です。


kuryu (採点:2)
変わってゆく自分って感じがよかったです。


神代 悠 (採点:2)
悪くないです。でもちょっと読みにくいかな?


はぐ (採点:1)
採点不能「読めません」 感じた事:少なくとも、インデントは効果ないと考えたほうがいいでしょう。中身の文章と相まって…


全採点
5点 : 2
4点 : 13
3点 : 62
2点 : 66
1点 : 21

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