シガレット・メモリー〜旅立ちと過去〜
雑然と流れていく人々を眺めながら思う
やはり自分は正しかったのだと
アイツに寂しい思いをさせるわけにはいかないから
さて
そろそろ行くかな………
「そうね、この事はあなたに言っておかなければならなかったの。」
「でも、言えなかった。あんなに楽しそうなあなたを見ていると……」
「言わなくても解るでしょうけど……帰っては来ないわ………」
「それから、彼からの伝言があるのだけれど――――」
曇った夜空に、たなびく紫煙。
半分ほど吸いきった煙草を、校舎の屋上床に押し付ける。
また新しい煙草を取り出すと、ジッポーで火を点ける。
ふはぁーと大量の煙を吐き出す。
「煙草は体に毒だよ」
と言って突然現れた名雪が、引き千切る様に煙草を奪い取る。
憮然としながら、口の中に残ったフィルター部分を、手持ちの携帯灰皿に押し込む。
「火点いてるから、危ないぞ。それ」
「へ？わ！ホントだ！どうにかしてよ！祐一！」
自分で奪い取ったのに、とも思ったが、あえて口には出さない。
「へいへい、これでいいか？」
「うん、ありがとぉ。ねぇ？煙草って美味しいの？」
ふぅ、なかなかに核心を突く質問だ。
「不味いな」
「じゃあ何で吸うの？」
これまた核心を突くな
「なんとなく………かな？」
「ふぅ〜ん、じゃあ私にも一本ちょうだい」
いきなりの事に、意表を突かれた。
「名雪、煙草吸ってたっけ？」
「ううん、吸って無いよ。でも、もう二十歳だから吸えるよ」
そういやぁそうか。
昔のまんまだから、ついつい子供扱いしてしまう。
「ん……」
「ありがとう」
片手でひょいと出した箱から、一本を抜き取り名雪に渡す。
もう一本は自分の分だ。
再び出したジッポーで、名雪と自分の分に火を点ける。
ゆっくりと紫煙を吸い込み、深く肺の中に入り込んだ毒の煙を感じる。
名雪も人差し指と中指で挟んだ煙草を、口に咥えていた。
「ホントだ、不味いね」
「そうだな、不味いな」
そのうち、名雪が変な風に口をすぼめて煙を吐き出した。
「うぅん、上手くいかないなぁ〜」
「何が？」
「ほら、煙で丸を書く奴だよぉ」
あぁ、あれをやろうとしていたのか。
「ほら、こうすんだよ」
言って、ポッポッポと出して見せる。
「わぁ！すっごーい！祐一出来るんだぁ！」
大げさに騒ぐ名雪。煙を吸い込み、再度挑戦している。
それを見ながら、もう一度深く紫煙を吸い込む。
さっきよりは大分美味く感じた。
毒の煙も悪くは無い。
「単純よ、祐一さんは海外へ行くの。勿論、帰っては来ないわ」
「伝言は一つ、『俺の事は忘れてくれて構わない』。とても寂しそうに言ってたわ」
「少し前から話は聞いてたんだけど……あなたには言わないように口止めされてたの」
「だって、言った途端。あなたはこの家を飛び出してしまうだろうからね」
「日本もこれで最後か……」
寂しいんだろうな
俺は
ふぅ……煙草が欲しい……
持って来れば良かった
「マイルドセブンで良かったらあるよ」
愕然とする
聞きなれた声だ
「な…ゆき……？何で、ここが……？」
「一人で海外旅行はずるいよ！私も行きたいもん！祐一と一緒にね！」
「名雪、家に帰れ。俺はもうここには戻ってこない。帰れ」
しかし、名雪は頑として動こうとはしない。
「頼む、お前に辛い思いはさせたくないから。頼むよ」
そう言うと、名雪は今にも泣きだしそうに顔を歪める。
「何で……勝手にそんな事言うの？祐一が居なくなる事の方が……ずっと、寂しいよぉ」
そんな事を言われて、どうやって断ればいいんだ。
俺には……出来ないよ……
「わかった、勝手にしろよ。ただ………」
「ただ？」
「イチゴサンデーはお預けだな」
「う……！」
ちょっとショックな表情を浮かべている。
そんなに大事か？イチゴサンデー。
「でも！帰ってくれば何時でも食べれるよ！ね？そうでしょう？」
帰って……くれば？
帰るつもりなど無かったけど
たまには、いいか
「そう……だな……たまには帰ってくるか」
「うん！そうしようよ！」
「そうだな……」
その時、ちょうど館内放送で発進の知らせが響いた。
「じゃあ、いこうか？」
「うん！行こう！」
「そう、結局行ってしまうのよね。誰がどうしたとしても」
「私だって、本当は名雪には行って欲しくなかったけど。あなたが選んだ道なんだから」
「責任を持って、行ってらっしゃい。自分に恥じないように」
そう言い切ると、秋子は１枚の写真をその場に置いて、台所へと歩いて行った。
その写真には、三人の人間が写っていた。
一人は温和そうな顔をした年配の女性
もう一人は高校生か大学生ぐらいのゆったりとした少女
そしてもう一人は同じく大学生ぐらいの少年
写真の裏にはこんな言葉が書いてあった
『高校卒業を祝して。この時が永遠に刻まれることを願う。誰も忘れない、ずっと憶えている。
忘れなどしない。この時を……楽しかった、この時を……』
投票結果
ugen (採点:2)
すべてにおいて理由が必要とはいわないけれど話が唐突過ぎ
烏賊悪魔 (採点:2)
小道具としての煙草をもっと有効に使ったほうがよかったと思う。ラストのセリフも唐突過ぎる。どこかに伏線を張ればよかったのでは？
荒野草途伸 (採点:2)
結局、祐一と名雪が海外に行くという、ただそれだけの話？
ケイ (採点:2)
なんで祐一が２人から離れようとしたのか？ という物語の核心をつくところが書かれてないみたいですね〜・・・ なんだか消化不良ぎみです^^; 簡単でもいいんでそこのところを書いていただけると良かったです。 ありがとうございました。
naoki (採点:4)
文章的難は否めませんが、心揺さぶられます。
橘征五郎 (採点:1)
まずは基本的な文章作法の勉強を。ストーリーの意味が不明。どうして祐一が海外へ行かなくてはならないのか。多分親元へ行くという設定なのだろうが説明が全くないし、また大学生にもなって何故いきなり。祐一は一体いつから煙草を吸うようになったのか。キャラの個性にあっていない。文章のレベルが低い。地の文が説明的。それでいて説明不足。最初に祐一と名雪が煙草を吸っているのは何処なのか。台詞にセンスがない。ラストの締めの言葉はこれ以上ないほどに不自然で、しかもダサいとすら言える。キャラクターの特徴が掴めていない。煙草は普通初めて吸ったときはむせる。
グＥ (採点:2)
もうちょっと描写がほしかったです。（途中の部分が理解しにくい…）
かずき (採点:2)
これでは秋子さんが寂しいでしょう。
TOM (採点:3)
ハードボイルドのよーな、違うよーな（笑）
kuryu (採点:1)
描写が不足していて、話の不透明感がぬぐいきれません。
Alice (採点:1)
いまいち理解し辛い展開だった。まぁ、どんな展開なのかはわかるんだけれど、もうちょっと構成をひねって欲しい。ちょっとこれは読むモノとは理解しがたいので…。あと、祐一が帰ってこないというところ、理由付けをしましょう。評価：Ｆ
舞耶 (採点:3)
やっぱ祐一は頭いいのかなぁ・・・
浮動明王 (採点:2)
テーマも主題も不明確
taka (採点:2)
うにゅ・・・。旅立ちと別れは切り離せないですからね・・・。そこのとこ、結構きついものがありますね・・・。
神代 悠 (採点:2)
雰囲気はとってもいいんですけどね〜。もうちょっと説明が多いと判りやすかったかな〜（祐一が旅立つ理由とか、名雪が家を飛び出したところとか）
はぐ (採点:1)
採点不能「読むのやめました」 感じた事：何を書いてるんだかわかりませんでした。もっと書き込むべきところを書き込んでいなければ読むのは耐えられないです。
全採点
5点 : 3
4点 : 21
3点 : 60
2点 : 63
1点 : 23
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