『幸せの瞬間』
名雪「いっちご、いっちご」
栞「あっいす、あっいす」
祐一「おまえら…もう少し静かに食えよ」
百花屋の一角で俺は頭を抱えて呻いた
香里「この子たちにそんな事言っても無駄よ」
祐一「お前もそんなに静かにコーヒー飲んでないで止めろよ」
香里「あたしは無駄なことはしない主義なの」
祐一「なんだよそりゃ…」
香里「言葉通りよ」
俺の気も知らないで名雪と栞は未だに食べ続けている
祐一「大体今日は俺が奢るんだぞ！そんなに金があるか！！」
香里「大丈夫でしょ、バイトしてるんだし」
祐一「俺はこのためにバイトをしてるんじゃない…」
俺が再び頭を抱えていると
名雪「イチゴサンデーもう一つ〜」
栞「私もバニラアイスお願いします〜」
祐一「まだ食べるのかよ…」
名雪「うん、もちろんだよ〜」
栞「まだ大丈夫です」
祐一「いや、俺が心配してるのは…」
香里「あきらめなさい…あたしも何か食べようかしら？」
祐一「お願いします、勘弁してください」
香里「何にしようかしら」
祐一「大体お前の分は奢るとは言ってないぞ」
香里「あら、栞と名雪には奢ってあたしは駄目なの？」
祐一「ぐっ…」
香里「ふふふ…冗談よ」
祐一「やめてくれ、洒落にならない」
そんなやりとりをしてる内に追加の注文が運ばれてきた
名雪「いっただきま〜す」
栞「いただきます」
嬉しそうに食べ始める二人
名雪「いっちご、いっちご」
栞「あっいす、あっいす」
もう誰の声も聞こえない感じだ
祐一「しっかし、こいつらホントに幸せそうな顔してるな」
香里「幸せなんでしょ、実際」
祐一「まあ、そう言えばそうだが…」
香里「女の子なんてそんなもんよ」
祐一「ふ〜ん」
香里「何よ、人の顔をじろじろ見て」
祐一「そう言うお前は…幸せそうじゃないな」
香里「あのね…コーヒーで幸せになれると思うの？」
祐一「だって女の子ってそう言うもんだろ？」
香里「あたしは違うわよ」
祐一「へ〜、それじゃあどんな時が幸せだ」
香里「そうね…」
香里は一つ呼吸を置くと
香里「じきにわかるわよ」
祐一「はぁ？なんだよそりゃ」
香里「栞、それに名雪もあんまり食べると太るわよ」
俺の質問を無視して香里はまだ食べている二人に話しかけた
栞「そんなことありません！まだお姉ちゃんの方が上です」
香里「そんなに食べたらいつかは超すわよ」
ちなみに名雪は凍ってる
栞「わかりました、これを最後にします」
香里「お腹も壊すわよ」
栞「だからこれで最後です！」
香里「はいはい、じゃあ早く食べなさい」
栞「むぅ〜〜」
むくれたまま栞はまた食べ始めた
香里「わかったでしょ」
祐一「んあ？なにが？」
いきなり話を振られた
香里「これが、あたしの幸せよ」
祐一「ああ、栞をからかうことか」
香里「あなたね…まあ、半分正解」
祐一「なんだ？」
香里「あの子と話す…それがあたしの幸せよ」
祐一「そうか…」
香里「何よ？」
祐一「ちゃんと、『お姉ちゃん』してるんだな」
香里「失礼な言い方ね、今更出費を重ねたい？」
祐一「冗談です、勘弁してください」
香里「ふふふ」
程なく食べ終わった栞とまだ固まってる名雪を連れて俺たちは家に帰った
名雪「わたし、もう寝る…」
祐一「おう、おやすみ」
夜、夕食を食べ終えた俺たちは特にやることもなくぼんやりとしていた
秋子「名雪はもう寝てしまったの？」
祐一「はい、真琴のやつももう部屋に戻っていきましたよ」
秋子「あら、そうですか」
そう言えばさっき香里と話していた内容を思い出す
祐一「秋子さん、ちょっといいですか？」
秋子「ええ、いいですよ」
祐一「秋子さんの幸せって何ですか？」
秋子「いきなり難しい質問ですね」
祐一「ちょっとさっき香里と話してまして」
秋子「そうですね、祐一さん…ですよ」
祐一「あ、あの、な、なにを…？
突然の秋子さんの告白に俺はびっくりした
秋子「あらあら、言い方が悪かったですね」
祐一「ふ〜〜」
秋子「祐一さんや真琴…」
祐一「えっ？」
秋子「いつも名雪と二人きりだったこの家に明るさが戻ってきました」
そう言って秋子さんは自分の家を見渡す
秋子「それが私の幸せです。そしてその幸せは祐一さんから頂きました」
祐一「俺は、そんな…」
秋子「祐一さんがこの家を変えてくれたんですよ」
祐一「はい…」
秋子「新しい家族も増えた、私にとってこれ以上に幸せなことはありません」
少しの沈黙があった
秋子「あら、もうこんな時間ね」
祐一「あっ、じゃあ俺そろそろ」
秋子「おやすみなさい、祐一さん」
祐一「おやすみなさい」
祐一「ふぅ」
自室に戻った俺は秋子さんが言った言葉を思ってた
（祐一さんがこの家を変えてくれたんですよ）
祐一「俺でも役には立ってるのかな」
何より秋子さんが家族と言ってくれたのが嬉しかった
ゴンゴン
祐一「なんだ？」
ゴンゴン
祐一「…あのな、ちゃんと玄関から入ってこいと言っただろ」
ベランダの窓を開ける
あゆ「だって、迷惑かなと思って」
祐一「俺の迷惑は考えないのか！？」
あゆ「うぐぅ…」
祐一「まあいいや、とにかく入れ」
あゆ「おじゃまします」
窓から入ってきておじゃまも何も無いと思うが
祐一「で、今日は何だ？食い逃げか？」
あゆ「違うよ、今日は祐一君と会えなかったから」
そう、真っ赤になって答える
祐一「あのな、明日にでも会おうと思えば会えるだろ」
あゆ「今日会いたかったんだよ」
祐一「別に特別な日でもないだろ」
あゆ「うぐぅ、そうだけど」
そう言ったところで俺はさっきの質問をあゆにしてみようと思った
祐一「なあ、あゆ」
あゆ「なに？」
祐一「お前にとって幸せってなんだ？」
あゆ「うぐぅ？」
祐一「そうか、お前の幸せはうぐぅか…よくわかったぞ」
あゆ「うぐぅ…そんなこと言ってないもん」
いや、十分に言っていたが
あゆ「ボクの幸せ？」
祐一「そうだ」
あゆ「う〜ん、たい焼き食べてる時かな？」
祐一「あっそ…」
（女の子ってそんなもんよ）
香里の言葉が頭によぎる
あゆ「でも、でも」
祐一「あ、なんだ？」
あゆ「えっとね」
祐一「なんだよ…はっきり言えよ」
あゆ「ゆ、祐一君と一緒の時が一番幸せかな…なんて」
祐一「あ、え〜と」
今の俺たちは両方とも顔が真っ赤だろう、少なくともあゆはそうだ
祐一「もう、寝るか」
あゆ「うぐぅ〜、ボクは〜」
祐一「じゃ、じゃあ一緒に寝るか？」
あゆ「えっ…うん！」
布団に入って俺は思った
俺の幸せは自分の大切な人たちが笑っていてくれることだと…
ちなみに朝に秋子さんに見つかり
『あら、また新しい家族が増えそうね』
と言われたのは別の話だ…
さらに名雪と栞に伝わり俺の金がますます減ったのは遠い話だ…
投票結果
KOU (採点:4)
相変わらず祐一の財布は寂しいですね（＾＾；
ugen (採点:2)
話はいいけれど文章がほとんど台本
kuryu (採点:2)
幸せの形って確かに難しいテーマですよねぇ。
グＥ (採点:3)
作品に流れるほのぼのとした雰囲気がいい感じです。
naoki (採点:3)
いろいろな形がありますけど、それに共通しているのって、その人が笑顔でいることかな。
白 (採点:4)
なぜか凍った名雪が頭から離れないです（笑）
かずき (採点:2)
まあまあ。
yuxsan (採点:5)
幸せですね〜
橘征五郎 (採点:1)
まずは基本的な文章作法の勉強を。各キャラの個性が掴めておらずただの書き割り。単に好物を食べさせればいいというものではない。会話の展開が唐突。精神体ではない目覚めたあゆがどうやって二階のベランダにやってきたのか。ほのぼのにするなら最後のオチは余計。全体的に文章のレベルが低い。
コータ (採点:4)
秋子さん良いこと言いますね。
舞耶 (採点:4)
やっぱり祐一さんはおごっているときがしあわせそうですね・・・w
浮動明王 (採点:2)
ヤマ無いオチ無い
taka (採点:3)
一番の幸せは、やっぱりそれですよね〜・・・。
Ｖｉｓ (採点:4)
幸せそうなみんなが良いですね。あゆと付き合ってるということは、栞はお姉ちゃんの所に戻ったわけですか〜
はぐ (採点:3)
「いい感じです」 オチはもうかのんｓｓではお約束ですね(笑)。幸せを題材にきちんとまとめた作品ですね。評価良。ただ、キャラ表記はそれはそれで味なのですが、ことこの作品では意味がないなぁと思います。
神代 悠 (採点:2)
とりあえず、祐一も幸せみたいですね。
全採点
5点 : 5
4点 : 30
3点 : 76
2点 : 45
1点 : 17
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