ちぇんじっ！
「朝〜朝だよ〜ご飯食べて〜学校行くよ〜」
……。
いつもの朝が訪れる。
と、いってもこんなこんな目覚まし使ってるのは、世界中で俺ぐらいだろうなぁ。
余談だが、前に使ってた目覚ましは、今ではすっかり名雪の物になってしまい、新しい目覚ましを貸してもらったが、形が違うだけで、根本的なところはなにも変わっていない。
うぅ…まだ眠たい…。
「朝〜朝だよ〜ご飯食べて〜学校行くよ〜」
あ〜もう、うるせ〜な〜。
俺は目覚ましを止めるために、音がした方に寝返りを打ち、手探りで探す。
さわさわさわ。
ん？ なんだこの感触は？
俺は不思議に思いながら、ちょっと叩いてみる。
ぺしっぺしっ。
「いたっいたっ…」
……。
つねってみよう。
ぎゅーーーっ。
「いはいよぉ〜（痛いよぉ〜）」
……。
この声は…。
「…名雪か？」
俺は布団に包まったまま、その声の主に尋ねる。
「そうだよ〜♪ さぁ学校行くよ〜っ」
そう言いいながら、体を揺らされ起こされる。
「…まだ眠い」
俺は眠い目をこすりながら、重い体を無理やり起こし、本日初めて名雪の姿を見た。
「ふぁぁぁ。…で、今ひとつ疑問に思ってる事がある」
「うにゅ？」
「なんでお前がこんなに早く、しかも正常に起きてるんだ？」
「私だってちゃんと起きれるよっ」
今日は台風でも来るんじゃねぇのか…。
「今、私のこと侮辱したでしょ？」
と、名雪は頬を膨らませながら言う。
「いや、全然そんな事ないぞ」
「…もう、早くしないと学校遅れるよ？」
「わ〜ったわ〜った、んじゃ先に下に行っててくれ」
「了解だよ〜っ」
そして、名雪は部屋から出て行こうとする。
「あ〜っ、名雪。ちょっとこっち来い」
「？」
俺が名雪を近くに来さすと、いつもどうりに朝の挨拶をする。
ちゅ。
「わっ！」
と、名雪は驚き俺から離れる。
「ん？ どうかしたか？」
「いや…今…」
「なに言ってるんだよ。いつもの事だろ？」
「…いつもの…事」
名雪は不思議そうに唇に手を当てている。
「…？ いつもはお前からねだってくるのに、どうかしたのか？」
「いつもっ！？」
「何驚いてるんだ？ お前がやってる事だろ？」
「う…うん、そうだね」
……？
「さっ、ぼーっと突っ立ってないで、さっさと下に降りろ。着替えれないだろ？」
俺は不思議に思いながら、名雪を部屋から追い出す。
「それじゃあ、先に朝ごはん食べてるから」
そう言って名雪は、ドアを閉めた。
ふぅ今日は珍しく、名雪の部屋まで起こしに行かなくて済んだな。
いつもこうだと有難いんだが…。
「あれ？ 秋子さんは？」
着替えを終え、俺が下に降りリビングを見渡すと、秋子さんの姿が無かった。
「え？ えっえっとお母さんは、お仕事があるからって先に出たよ？」
と、何故か動揺気味に名雪は答えた。
「ふ〜ん」
俺は変に思いながらイスに座り、焼けてあるパンにかじりつく。
「…って、もう時間ね〜じゃね〜かっ！」
俺はパンにかじりつきながら、壁にかけてある時計を見て、叫んだ。
「あっ、本当だ。不思議だお」
「あーっ、走っていくぞっ！」
「わっ、待ってよ祐一〜」
「なんで早めに起きても、走んなきゃなんないんだよ…」
通学路を一緒に走りながら愚痴を言う。
「不思議ですよねぇ」
と言いながら、どこかで見たことがあるポーズをした。
「…なんで敬語なんだ？ しかもそのポーズ、秋子さんがいつもしてるやつじゃないか？どうしたんだ、お前？」
「あっ、不思議だよね〜っ♪」
名雪は慌てた様子で、俺から目をそらした。
……。
…なんか変だ。
「お前なんか悪い物でも食べたのか？」
「えっ？」
「今日の朝から変だぞ？」
「そっそんな事ないよ〜祐一さん」
「祐一さん？」
「あっ…、祐一っ♪」
……。
もしかして…。
俺の頭の中で、嫌な予感がはしる。
ちょっと誘導尋問してみるか…。
「ところで秋子さん？」
「なんですか？」
「……。」
「……あ。」
「…何やってるんですか秋子さん？」
「えっ、えーと…やっぱりバレちゃいました？」
俺は走りながら深いため息をついた。
「やっぱり走りながらだと、ボロが出ますね」
「そういう事じゃなくて…。あぁもう、理由は後で聞きますっ！」
言いたいことは山ほどあるが、今は学校に遅れないことの方が先決だった。
キーンコーンカーンコーン
ぜぇはぁぜぇはぁ…。
「なっなんとか本鈴までには…間に合いました…ね…」
「そうですね、ひさしぶりに走りましたよ♪」
秋子さんはそう言って、学校を見渡す。
…ってなんで息がひとつも上がってないんだ？
「で、なんで名雪の格好してるんですかっ！？」
根本的な問題に戻ってみる。
「えぇ…と、ちょっとしたお遊びですよ♪」
「あはは…そうですか…」
「祐一さんが気付いたらすぐ止めようと思ったんですが、全然気付いてくれませんでしたから、なりゆきですよ♪」
「誰も気付きませんよ…、本当にうりふたつだし…」
本当にどこから見ても名雪そのままだよな…。
知ってる人が見ても誰も気付かないだろう。
現に彼氏である俺でさえ全然気付かなかったし。（自慢してどうする
「でも、どうやって声まで似せてるんです？」
俺がそう言うと、秋子さんの動きが一瞬止まった様に見えた。
「ふふ…聞きたいですか？」
ゾクッ。
「いえ、遠慮しときます」
…聞いてはいけない事を聞いたらしい。
「んで、名雪はどうしたんですか？ 起きたらあいつ驚きますよ？」
「目覚まし全部止めておきましたから、万事ＯＫです♪ 起こさなかったら、あの子は一日中寝ていますよ」
と言いながら、笑顔で返された。
笑顔で言われると逆に怖いですよ秋子さん…。
それに一日中寝るのもどうかと思う…。
キーンコーンカーンコーン
「うわっ本鈴だっ！ 走りますよっ！ 秋子さんっ！」
「ここでは名雪ですよ」
「あーもう、わかりましたよっ！ いくぞっ！ 名雪っ！」
「うんっ祐一♪」
はぁ…なんでこんな事に…
「セーーーーフっ！！」
「間に合ったよ〜」
「セーーーーフっ…じゃないわよ、先生が来てなかったら完全に遅刻よ？」
と香里はあきれた様子でため息をつく。
「おはよ〜香里〜♪」
「おっ香里、おはよう。今日も綺麗だな」
「はいはい。で、あんた達はいつになったら余裕を持って登校出来るのかしら？」
「これもまた一興かなと、思いまして」
「一興ってなんだ一興って」
と後ろから北川がつっこむ。
「おっ北川、居たのか？」
「…またそうやって俺を苛めるだろ？ イジメ反対だっ！」
俺らのやりとりを聞いて、香里はさらに深いため息をついた。
「……もういいわ。 ところで名雪、昨日約束したCD持ってきた？」
「CD？」
「昨日約束したじゃない、明日返してくれる〜って」
「あっあのCDね、ごめん香里、忘れたよ〜」
そりゃ分かるわけないよな…秋子さんだし。
って案の定、誰も本物の名雪じゃないって誰も気付かないな…。
ガラガラガラ
「あー授業を始めるぞー。席につけー」
「あっ先生が来たわ。それじゃ名雪、明日ぜぇぇぇったい持ってきなさいよ」
「了解だよ〜」
「あー今日は昨日言ってたとうり、小テストを行なう。小テストだからって手を抜くなよ。なお点数の悪い者には放課後補習を行なう。各自、健闘するように」
「あぁ！？ 聞いてねえぞそんなの！」
「何言ってるの、昨日先生が言ってたじゃない」
「マジで…、俺知らないぞ？」
「そりゃお前と水瀬は寝てたからな」
「…こりゃかなりやばいな」
「「二人仲良く補習がんばってね（れよ〜）〜♪」」
と香里と北川の声が重なった。
「このやろぅ」
ふぅ、こりゃ補習覚悟だな。
名雪…もとい秋子さんは大丈夫なのか？
と思い秋子さんの方を見ると、目が合いVサインで返された。
…思いっきり不安だ。
キーンコーンカーンコーン
「あー結果は放課後のＨＲで発表する、逃げるなよ？」
と、すこし嫌味に笑って教室から出て行った。
やばぃ…まじで全然分からなかった…。
「あきーーーじゃなかった名雪〜どうだった？？？」
「う〜ん、あんまり自信はないよ〜」
そりゃそーだろうなぁ。
「香里は…聞くまでもないな」
「あらあら相沢君、たいした出来のようですね〜」
いかにも人を小ばかにしたような話し方で香里がいう。
「…お前…やな奴だな」
「名雪は…あれ？ 結構自信ありそうね？」
「そんな事ないですよ〜」
「なんで敬語なの？」
やべっ、と俺は心の中で叫ぶ。
「そっそんな事ないよ〜♪」
と、秋子さんは慌てた様子で答えた。
「……。まぁいいわ、これで補習は相沢君だけね？」
「まだ決定はしてないぞ…」
「えぇ〜と、それでは今日のテストを返す」
教卓で先生が用紙を束ねて整える。
「あ〜ちなみに、満点は美坂―――」
先生が最後まで言葉を言い終える前に、クラスの連中が「おーっ！」と声をあげる。
まぁ当然だろうなぁと俺が香里の方を見ると、特に驚いた様子はなかった。
…これが学年トップの貫禄ってやつか？ と俺は勝手に解釈をした。
「待て待てー、今回はもう一人満点がいるぞ」
もしかして…
「もう一人は…」
何故か俺はすごく緊張し、唾を飲み込む。
「水瀬だ。よくがんばったな」
先生が言ったと同時に、香里の時よりさらに大きいどよめき起こった。
やっぱりですか…。
なんで何もやってないのに満点なんすか、秋子さん？
と、思いながら秋子さんの方を見ると、またＶサインをして嬉しそうにこっちを向いていた。
…もう…なんでもいいや…。
「すごいじゃない名雪っ！」
香里が名雪に、先生に聞こえないぐらいの声で言う。
「えへへ、偶然だよ〜♪」
秋子さんは少し照れ気味に笑って答えた。
かっ可愛い…。
……。
って、俺は何を考えてるんだーーーっ！
相手はいとこの母親だぞっ！
ごめんなさい名雪さんっ！ あなたという人がありながらっ！
「で、だ。お待ちかねの補習組の発表だ」
先生の声で急に現実に戻され、俺の思考が固まる。
補習だけは勘弁してくれ…、と俺は神様に深く祈った。
「補習組は…７、８、９人だ」
逃げちゃだめだ、逃げちゃだめだ、逃げちゃだめだ…。
「まずは…」
ごくっと、俺に嫌な緊張が走る。
「相沢」
…ホームラーーーーーーーン（意味不明）
俺の目の前は少しの間、真っ黒になった…。
「ー以上９名だ。 それではＨＲが終わり次第、すぐ始めるからな。覚悟しておくように」
あぁ…補習なんてついてない…
「お〜い相沢〜、生きてるか〜？」
と、肩を後ろから揺らされる。
「…ココハドコ？ 私ハダーレ？」
「こりゃ重症だな…」
「って北川、お前は大丈夫だったのか？」
と、俺が聞くと北川は不気味に笑い始めた。
「フッフッフ…昨日、美坂の家で勉強したからな…、当然だよ相沢クン」
「あぁ？ なんで美坂の家なんだ？」
「ん？ なんでってそりゃぁー」
と、言い終わる前に香里が北川の頬っぺたをつねった。
「何を言ってるのかしらねぇ」
香里はそういいながら、つねっている手に力が入っていく。
「イタタタタタ、わかった、わかったよー」
と、北川が降参すると香里はつねるのをやめた。
…なんで北川のやつ嬉しそうなんだ？
「祐一っふぁいとっ、だよ？」
と秋子さんが俺の方を向いて応援してくれた。
いつの間にそんな言葉覚えたんですか…。
…つくづく似てるよなぁ、本当に秋子さんなのかさえ分からなくなってきた。
そして北川と香里は「部活に行く」とか言って、教室から出て行った。
いったい何の部活なのかは、おそらく生涯の謎となるだろう。
っていつの間に部活に入ったんだ北川よ。
「で、ここがこうなるのでー」
と、ガラガラの教室で先生の声が響き渡る。
周りを見ても、ほとんど話した事もないような奴しかいない。
しかも生徒はそれぞれやりたい事をやっている。
ようするに誰も聞いてない状態だ。
俺は大きなアクビと共に、睡魔に襲われる。
先生は相変わらず自己満足気味に一人で補習を続けているし。
ふと、俺が窓からグラウンドを見ると、名雪…もとい秋子さんの姿があった。
体操服…。
しかも髪も後ろで束ねて。
まさか部活までやるつもりですか、秋子さん？
俺は不安になって窓から見守っていると、偶然、秋子さんと目が合った。
すると秋子さんは俺に笑顔で手を振って来た。
そのせいで、周りの陸上部の部員が一斉に俺の方を向く。
そして、俺がしぶしぶ手を振って返すと、周りの陸上部員が秋子さんをちゃかし始めた。
……はずかしい。
そして数分後、陸上部の何人かがトラックに出てきた。
と、その中には案の定、秋子さんが混じっていてた。
その顔は真剣そのものだ。
そして、陸上部特有のピストルの音がし、同時にトラックを走り始める。
おっ秋子さんがいきなり一番だ。
何周するんだろ？ と、俺は補習そっちのけで陸上部に夢中になった。
１周、２周、３周…とどんどん周回を重ねる。
秋子さんは依然一番でほぼ独走状態だ。
…うちの陸上部って…足遅かったか？
だが、数周走っていると秋子さんのペースがだんだん落ちている事に気付いた。
さすがに体力の限界だろうか？
そして何分たったのだろう、やっと走り終えると、陸上部の連中が秋子さんの周りに集まり始めた。
ん？ どうしたんだろう？
いいタイムでも出たのだろうか、周りの部員達が秋子さんを囃し立てているように見える。
たしかにかなり速かったような気がするし。
と、俺が補習そっちのけで眺めていると、突然先生の声が聞こえてきた。
「ふふふ…、いい度胸してるじゃないか相沢。俺の授業を聞く耳なんてないか？」
先生はそう言いながら、持っている指示棒を自分の手に何度も振り下ろす。
おぃおぃ、周りの奴も誰も聞いてなかったじゃねぇか。と思い周りを見ると、いかにも今まで真面目に聞いてました。って顔をしていた。
やばぃ…。 俺の体の温度が一気に下がっていくような気がした。
「よし、お前とは今日はとことんやってやる。覚悟しとけよ…」
そう言った先生からは、不気味な小宇宙（コスモ）が流れ出ていた。
絶対…今日は厄日だ。と俺は確信した。
俺がやっとの思いで補習を終わらし、疲れた足で家に帰ろうと学校から出ると、辺りはすっかり暗くなっていた。
もう夜かよ…。
真っ暗なのが、さらに俺の疲れに追い討ちをかける。
と、俺がふらふらと校門の方に歩くと、そこには鞄を持って、空を見上げている秋子さんの姿があった。
すると、俺の足音に気付いたのか、秋子さんはこっちの方を見た。
「遅かったね〜、祐一」
と言って、小さく手を振ってくれた。
「待っててくれたんですか、秋子さん？」
「もうっ、ここでは名雪ですよ？」
「誰も居ませんよ」
「あっそれもそうですね♪」
と言って秋子さんは、いつものしゃべり方に戻った。
「校門の前で待つなんて何年ぶりかしら…、ちょっと学生時代を思い出しましたよ」
「えっ？ 誰か待ってたことあるんですか？」
「私にだって青春時代ぐらいはありますよ、祐一さん」
昔を思い出しているのか、秋子さんの顔はとても幸せそうだった。
「さてと…そろそろ帰りますか？」
「そうですね♪」
そう言って一緒に帰ろうとした時、秋子さんが足を少し引きずり気味に歩いているのに気付く。
「足、どうかしたんですか？」
俺が聞くと、秋子さんはギクっと思ったのか一瞬動きが止まった。
「いえ、なんでもありませんよ」
「足引きずってるじゃないですかっ」
「気のせいですよ」
と秋子さんは無理に笑顔でかえす。
「秋子さんっ！」
俺が少し強めに言うと、少し沈黙の後、秋子さんは観念したように話した。
「ちょっと部活で張り切りすぎたのか、少し足首を痛めてしまったらしいです」
…そういわれ、トラックを走っている時に後半ペースが落ちていた事を思い出した。
「タイム計ってる時、ですよね？」
「あれ？ 見てたんですか？」
「まったく…」
俺はちょっとため息をつきながら、秋子さんに背を向けその場に座り込んだ。
「祐一さん？」
と秋子さんは不思議そうな声で言う。
「…足が痛いんでしょう？ 早く乗ってください。結構恥ずかしかったりしますから…」
俺がそう言うと、秋子さんは最初は少し戸惑っていたが、何も言わず俺に身を預けてくれた。ただ一言「ありがとうございます」と言って。
……。
……さすがにおんぶして帰るのは、結構恥ずかしい。
周りの視線がすごく気になる…。
そして商店街を抜け、家まで後少しという所で、俺は秋子さんに聞いた。
「ところで…どうしてこんな事したんですか？」
俺が背中に乗っている秋子さんに尋ねる。
「そうですね…ちょっとした嫉妬かもしれません」
「嫉妬？」
「ちょっとだけ…ちょっとだけ名雪が羨ましかったんです。あの子の祐一さんといる時の幸せそうな顔が…」
そう言うと、秋子さんが俺に回している手をすこし強く握ったような気がした。
「秋子さん…」
「いえ、もうしませんよ。もう十分楽しめましたから♪」
……。
「別にしてもいいですよ…ってわけにはいきませんが、これだけは言えます」
「？」
「俺達の幸せは、秋子さん無しには在りえません。秋子さんが居てこその”今”なんです。だから…秋子さんは一人じゃないですよ？」
…我ながらクサイ台詞だなぁ、と俺は心の中でつっこんだ。
「ありがとうございます、祐一さん…」
そういうと、秋子さんは静かに俺の頬に唇を寄せた。
「きゅ急にどうしたんですかっ！？」
俺は急な出来事に、さすがに動揺してしまった。
「ふふっ朝のお返しですよっ♪」
そう秋子さんは言うと、俺の背中から降り、家まで歩き始めた。
…朝？
……。
……。
……あっ。
『あ〜っ、名雪。ちょっとこっち来い』
『？』
ちゅ
『わっ！』
『ん？ どうかしたか？』
『いや…今…』
『なに言ってるんだよ。いつもの事だろ？』
『…いつもの…事』
『…？ いつもはお前からねだってくるのに、どうかしたのか？』
『いつもっ！？』
『何驚いてるんだ？ お前がやってる事だろ？』
『う…うん、そうだね』
ぬあああああああぁぁぁぁっ！！！！！！！！！！！！！！！！！！！！！！！
俺の声は…
暗い路地に…
響き渡った…
ちなみに本物の名雪は、まだ寝ていたとさ。
めでたし、めでた…いのか？
投票結果
Manuke (採点:5)
リズムが良く、楽しめました。
KOU (採点:4)
ビバッ、秋子さん！つーかこれでこそ祐一だよな。
ａｓｈ (採点:4)
面白いけど、ちとやばいのでは？ と言うよりも、秋子さん万能すぎです。
殺陣倉Xp (採点:4)
こうやって、いろんなことがばれるんだろうなぁ。親子の秘め事って（爆
荒野草途伸 (採点:2)
折角の良いお話なんですけど。理由もなく北川さんと香里さんをくっつけたので、２点減点ですっ！
ugen (採点:4)
ネタはありがちだがうまく落としている
湯片井たけひろ (採点:5)
オチで５点に決めました。最高！
kuryu (採点:3)
なんかいいなぁ。って感じです。
sein (採点:4)
なかなかほのぼのでよかったです。
グＥ (採点:4)
悪戯っぽい雰囲気の秋子さんがたまらなくよかったです。
naoki (採点:5)
祐一君、気付くの遅すぎ〜。
白 (採点:3)
謎ジャム・・・か・・・。
フール (採点:5)
おちゃめな秋子さん・・・ぐーです＾＾
かずき (採点:3)
秋子さんかわいい！
Ｇａｒａ (採点:3)
朝キスしたのも秋子さんだった、という事に気がつくのが不自然なくらい遅いですね。真っ先に気がつきそうなものですが。可愛い話でした。
yuxsan (採点:5)
温かくて良いお話でした〜
舞耶 (採点:3)
これ系は最後までばれないのが好きだったりしますｗ
橘征五郎 (採点:1)
まずは基本的な文章作法の勉強を。秋子さんのキャラが掴めていない。ギャグがつまらない。文章力が皆無。
tabibito (採点:4)
…ホームラーーーーーーーン（意味不明） オッケェーーーーーーーッ！（ますます意味不明）
musu (採点:3)
めでたい。
浮動明王 (採点:4)
おちゃめな秋子さんはよいですねえ
taka (採点:4)
めでたいのでしょう。いや、最高の方向で（笑
ANJU (採点:4)
特殊な設定なのに、性格が巧く予見されて書かれてます。表現も慌てた状況が想像できてgoodです。
Ｖｉｓ (採点:4)
秋子さんならではの名雪変身モノですね。香里や北川に正体がばれるシーンも欲しかったような気がします（これは好みの問題ですが）
神代 悠 (採点:3)
めでたいのでしょうかねぇ.… 名雪の立場とかそういうものについてちょっと考えてしまったりｗ
全採点
5点 : 25
4点 : 63
3点 : 63
2点 : 18
1点 : 5
このSSは、作者の方に二次著作権が存在します。
転載、無断引用を固く禁止します。
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