真琴ちゃんの宿題
「あぅあぅ……」
肉まん。
ふかふかの肉まん。
湯気が出てる。おいしそう。
「あぅ♪」
手を伸ばすと、
ひらっ
逃げた。
え？なんで肉まんが逃げるの？
「あう？」
肉まんがふらふらっと浮き上がって、真琴から離れてく？
追いかけないと…
肉まんが…
ジリリリリィィィ……
目覚し時計みたいな音を立てちゃうよ。
あう？
ジリリリリィィィ……
むくっ
ジリリリリィィィカチャ
「にゃ〜〜う」
「うん、ぴろ、おはよう」
なんかおいしそうな夢を見てた気がするんだけど、ぴろがあいさつしてくれたから真琴もあいさつした。
「あぅ〜〜〜……」
ちょっと伸びを……あくびが出た。
ごしごし
少し涙が出たから眼をこする。
「よし、起きよう！」
まずはカーテンを開けて、窓も開けて、
「う〜〜ん、いい朝♪……早く着替えないと」
まずはパジャマを脱いで……窓を閉めた。
前に美汐に窓を開けたまま着替えてたら怒られたから。
オトヒメのタツナミなんだって。あれ？何か違うかも？
う〜〜ん、でもきっとそうとも言うのよ。
それより早く着替えないと先を越されるかもしれない。急ごう。
まずはブラジャーから。今日はパンツとお揃いの薄いブルーのやつ。
祐一は、色が薄い方が好きみたいだから。特に真琴には、青系が似合うって言ってた。
えへっ♪
あ、急がないと…
「ん………あぅ……んん〜っ………できた！」
やっとホックをかけれた。見えないから苦手なんだ。
美汐が一緒に寝てくれる時は、手伝ってくれるから楽なのに。
でも、付けないと秋子さんにも怒られるから付ける。邪魔だけど。
キャミソールつけて、スカートはいて、セーターを着ると完成！
あ、リボンが残ってた。後で秋子さんに頼もう。
一人でリボンを付けると長さが同じにならないから。
時計を見ると、うん、まだ間に合う。今日も真琴の勝ちだね、名雪お姉ちゃん。
「さ、祐一、起こしに行こう」
カチャ
祐一の部屋だからノックはいらないと。どうせ寝てるし。
ベッドの枕もとに真っ直ぐ歩いていって、
ポン
名雪お姉ちゃんの目覚し時計の解除成功。
これで５連勝。祐一を起こすのは、真琴の役目だもんね〜
隣の部屋ですぴすぴ寝てる名雪お姉ちゃんには負けないから。
「祐一、起きて、起きてよ」
ゆさゆさ
肩を持って揺らすけど反応がない。
あう〜最近の祐一は寝起きが悪くなってきた気がする。
「朝だよ〜早く起きないと遅刻するよ〜」
ゆさゆさ
「……う〜ん…今は夏休みだから遅刻はないぞ……」
「あう〜祐一が真琴に言ったのに〜」
夏休み中でも早起きするって。
う〜寝ている祐一を見てたら、真琴もまた眠くなってきた。
少しくらいいいよね？夏休みだしね？
ゴソゴソ
祐一のタオルケットを持ち上げて潜入♪
「えへへ、これはおやすみのキスね♪」
ちゅっ♪
「あぅ………うぐぐ………んん………ぷはぁ〜〜〜……」
あうあうあう？
え、え〜と…
そ、その…
祐一に…
「おはようのキスだろ、これは」
あう！
キスを返されたみたい。
しかも、でぃーぷというやつ。
祐一の舌が入ってきたもん。
「あう〜何するのよ〜」
「真琴が先にしてきたんだろう？」
それはそうだけど、面と向かって言われると恥ずかしいよ。
「真琴は軽くしただけだもん」
タオルケットで鼻まで隠し、目だけ見せて抗議する。
「何を？」
「あぅ……」
「真琴は何をしてたのかな？」
「いじわるぅ〜！」
真琴の口からキスって言わせる気なんだ。
「うっ、萌え！………という訳で、朝ご飯いただきま〜す♪」
「へ！？」
という間に、
真琴は食べらた。
あう〜また着替えないと。
午後。
美汐に食べれた。
あう〜またまた着替えないと。
夜。
祐一と美汐に一緒に食べられた。
あう〜またまたまた着替え……る必要ないみたい。
おやすみなさい。
「真琴、何やってるんだ？」
「え〜と、夏休みの宿題よ」
「偉いですね、真琴は。祐一さんは、宿題は終わったのですか？」
「３年にもなると自主的にやる奴だけがやるから殆どないんだぞ」
祐一と美汐が話してる。
でも、真琴は忘れる前に書かないと。
「で、何の宿題をしてるんだ？」
真琴の手元を覗き込みながら、祐一が訊いてきた。
見ればわかると思うけど。
「日記」
ピキーン
何かが凍ったような音がした。あう？
「ま、真琴、それはヤバイって…」
「あう？」
「い、いけません、真琴、そんなことを書いては…」
「あぅ？先生は飾らないでありのままを書けって言ってた」
あと、自分の思った通りにとか。
「絶対にマズイ！書き直せ！」
「祐一さん、この朝のことはなんですか！二人で一緒の時しかしないって約束したじゃないですか！」
「そういう美汐だって、この午後は何だ！俺は知らないぞ」
「……そんなこと言う人嫌いですぅ〜」
「美汐、もう笑えないぞ…」
変な祐一と美汐。
「でも、喧嘩するほど中川兄弟というから大丈夫だよね」
「「それは仲が良いというんだ（です）！」」
やっぱり息がぴったしだから合ってると思う。
「う〜んと、真琴は続きを書くから」
「書くなぁーーーー！！」
「書かないで下さい！！」
あぅ？なんで？
「「何でもだ（です）！！」」
あぅ〜〜〜
「やはり中学の宿題にはマズイだろう」
「まず捕まりますね」
投票結果
ういんど (採点:4)
ナイス切れ味(笑)
ugen (採点:4)
落ちが笑えた、確かに真琴は中学生くらいかも
kuryu (採点:1)
なんだかなぁ
グＥ (採点:3)
祐一、美汐、真琴の何気ない（？？）日常が面白かったです。（とくに真琴が良かったです）
しゅう兵衛 (採点:3)
美汐よ。お前もか（笑）
ＪＩＭＭＹ (採点:4)
ほのぼのだったのがいきなりＨコメディに展開したんで驚きました。前半のは覚えていない筈の夢の中身まで書いてあるから日記では無いですね。すると、「真琴は、食べられた」からが日記ですね。…確かに宿題の日記としては無茶ですねぇ。
naoki (採点:4)
笑わせてもらいました。っていうか、祐一と美汐、それでいいのか？
フール (採点:3)
ちょっと笑えましたが、中学生・・・？ある程度の年齢ならば中学生でもOKなのではないでしょうか？*一応*１８以上かもしれない、と言うことになっているので(笑)
かずき (採点:3)
中学生かよ。
橘征五郎 (採点:1)
前半部分は日記であるという設定であるのに、書き方が日記ではない。日記であるのにどうやって覚えていない夢の内容を書けるのかといった明らかにおかしいところもある。「中学生萌え〜」というのを狙ってのあのオチなのだろうが、つまらない。おまけに中学にもなって日記を宿題で出すところはまずない。そもそも全体的にネタがつまらなく、センスの不足を感じさせる。
浮動明王 (採点:3)
どうせ壊れを描くならもう少し派手が欲しい
すなふ (採点:3)
この真琴、可愛すぎるんですが‥‥。
taka (採点:3)
うぐぅ、確かに痛い・・・。しかし、食べられすぎだぞ真琴！（爆
はぐ (採点:1)
採点不能「読むのやめました」
Ｖｉｓ (採点:4)
面白かったですが「食べられた」を「食べれた」と書かれると可能の表現に見えてしまいます。
神代 悠 (採点:3)
そりゃ、捕まるわな…
全採点
5点 : 3
4点 : 36
3点 : 58
2点 : 35
1点 : 23
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