未来への道程は……
「今日も、いいお天気ですね」
「とりあえず、ね」
そう、とりあえずいい天気だ。
いつ雨が降るか分からないけど。
「午後からは確実に降るって言ってましたよ」
「あはは。大丈夫ですよ、きっと」
佐祐理さん、あなたの自信はいったいどこから来てるんですか？
「祐一さん、そういうことはあまり気にしない方がいいですよ」
「気にするなと言われても……」
普通は気にすると思う。
…………でも、この佐祐理さんだからな……………………
「それにしても残念です」
「……え、なにが？」
「舞が用事で来れない事です」
ああ、その事か…………
「しょうがないよ、それは」
「せっかく舞のために、沢山のたこさんウインナーを持ってきたんですよ」
「沢山って……どれくらい？」
「それはですね……」
「まさか、いつもの弁当箱の量が……」
「はい、そのまさかですよ」
佐祐理さんは曇り一つない笑顔だ。
……天然か！？
天然なのか！？
「あ、舞〜♪」
突然、佐祐理さんが声を上げた。
見ると、少し離れた所に舞がいた。
その舞の服装は私服じゃなく、制服。
これはいつもの事だが……
「……って、用事があるんじゃないのか？」
俺が尋ねると、舞はこっちに向かって歩いてきて……
ドスッ
「うぐっ」
……不意打ちの蹴りを俺に喰らわせてきやがった。
ちくしょう、立ってられねぇ…………
その蹴りを放った舞は、俺の心配などすることなく、佐祐理さんの前に立っている。
「……佐祐理」
「ふぇ…………？」
「……祐一に襲われそうになったらこれを…………」
そう言って舞は何かを佐祐理さんに握らせた。
「ふぇ…………これはちょっと……」
「……必ず必要になる」
俺は佐祐理さんを襲うと決まっているのか、舞。
「だ、大丈夫だよ、舞。祐一さんは、そんなことしないから」
佐祐理さんの言葉に、舞が冷たい視線を向けてくる。
舞はすぐ側にしゃがみこんで、
「……祐一……佐祐理を泣かせたら、私が許さないから」
「…………はい」
そう返事をするしかなかった。
怖いよ、舞。
なんで俺にそういうこと言うかなぁ…………
「……それじゃあ、私は帰るから」
「あれ、用事があるんじゃないの？」
佐祐理さんの言葉に、
「…………しまった」
ものすごぉぉく、まずそうな顔をする。
「…………それじゃあ、私は用事があるから」
改めて言って、その場を去ろうとする舞。
しかし……
「舞、どういうことだ？」
「祐一、しつこい」
「いや、しつこいって……俺は今の一回しか引き止めてないし」
ぐるっ
唐突に、世界が回転して…………
ドサッ
…………気付いたら背中から地面に落とされていた。
うぐぅ…………激しく痛いぞ、舞。
「…………それじゃあ」
最後に小さくそう言って、舞は走り去っていった。
佐祐理さんはニコニコしながら手を振っている。
舞が角を曲がって見えなくなったところで、佐祐理さんは俺の側にしゃがみこんできた。
「ふぇぇ……大丈夫ですか？」
「……佐祐理さんは、これが大丈夫そうに見えるのでしょうか？」
俺の言葉に、佐祐理さんはしばし悩んで、
「楽しそうですね」
いや、まったくもってそんなことないよ、佐祐理さん。
「それにしても、舞ってば…………」
「？？」
「舞……きっと、気をつかってるんですよ」
「舞が？」
「はい。佐祐理と祐一さんが恋人同士になれるように……」
「はぁ……舞がねぇ…………」
まあ、舞の行動基準は分からないからな…………
さてと…………
「……っしょ、っと」
とりあえず、立てる程度には痛みも治まってきたところで、なんとか立ち上がった。
「もう大丈夫なんですか？」
「たぶん」
「そうですか…………それじゃ、行きましょうか♪」
「舞のためにも、かな？」
「あはは、そうですね。舞の願いを叶えてあげないといけません」
佐祐理さんは少し照れたように、頬を少しだけ赤くして微笑んだ。
「それに、そろそろ…………過去との決着をつけないといけませんから」
佐祐理さんの言葉に俺は頷いて、
「じゃ、行こうか……佐祐理さん」
「はい……祐一…………さん」
「……佐祐理さん…………」
佐祐理さんの顔は、今までに見たこともないほど真っ赤だった。
「あはは……て、照れますね、こういうの……」
「別に構わないから…………待つのは苦手じゃないし」
「はい。ゆっくりと…………時間は沢山あるから…………」
言いかけて佐祐理さんが走り出す。
「行こう、祐一くん！！」
投票結果
名夜 (採点:3)
照れる佐祐理さん萌え〜………要所要所の台詞と地の文の繋がりが悪いかな？ と感じたり。３点。
きこ〜もと☆ゆに (採点:3)
祐一を“さん”から“くん”に呼び変えるきっかけとなるお話し、と言った感じですね。ちょっと短すぎちゃって残念ですが、お話し自体は良かったと思います。
TOM (採点:1)
話が始まる前に終わってしまった、って感じです。
Ｂ・Ｃ (採点:3)
舞が怖い（笑）。ちょっと我侭を言わせて貰えば最後の台詞、「くん」ではなく、まだ「さん」の方がいいかなと。２人は出発点にたったばかりですし、「待つのは苦手じゃない」と祐一の台詞にある通り、ゆっくりと未来に向かって歩き出すと言う印象を受けるＳＳですのでそっちの方が良いかな〜なんて思ったり。
グＥ (採点:3)
舞の不器用な優しさがいい感じだと思いました。・・・舞は佐祐理さんに何を渡したんでしょうか？気になります・・・。（家族計画？）（笑）
かずき (採点:2)
よくわからない。
ugen (採点:3)
キャラクターのデフォルメの仕方に好みが分かれそう。話は普通
naoki (採点:2)
……？ よくわからないんですが。デート？
kuryu (採点:2)
言葉が足りない感じがします。
KOU (採点:3)
舞が怖いっす
橘征五郎 (採点:1)
まずは基本的な文章作法の勉強を。三点リーダーを多用し過ぎで見苦しい。恐らくは一弥の墓参りに行くところなのだろうが、書き込みが足りないせいで状況がよく分からない。二人のいる場所や、舞が佐祐理さんに渡した物の正体なども同様に不明。文章のレベルが低い。
taka (採点:4)
あの３人は、こんな感じなんでしょうね。・・・両方が両方を気遣っている姿は見てていいですね。
はぐ (採点:1)
「読むのは疲れました」 ひねりがないし、感情操作が余りできてないので、読んでて退屈な感じでした。締めも締めですし。
全採点
5点 : 2
4点 : 15
3点 : 58
2点 : 52
1点 : 24
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