囚人の連鎖
白
せめてもの証
純白のベール
飛ばないように……
消えてしまわないように……
不器用にかきおさえ
立ち尽くす少女
腕の鈴が鳴った
ちりーん、りーん
『けっこんすれば一緒に……』
近くて遠いアイツの姿
重なる
ブレる
歪んでいく
風
風が吹く
金色の原に風が吹く
風に吹かれ
水平に流れる
白と黄金
絹が、少女の髪が、流れる
流れていく
落陽のように……
何処かへ
手の届かない何処かへ
手を伸ばす
つかんだ
まだ、つかまえることができる
細く儚い肩は、まだ腕の中にある
温かい
人の体温
いつまでも……
せめて、最後の時まで一緒に――――
りーん、ちりーん……
悔恨
どうしようもない無力感
込み上げる感情
動けない
縛られ
囚われ
魅了され
黄金の原を眺めて立ち尽くす
ものみの丘に儚く消えたアイツ
腕の中にいたのに…
いつまでも一緒にいると……
いられるようにと……
…ちりーん……
残さないのか……
亡骸さえ、残してくれないのか……
まるで…これじゃあ…
はじめから――
「相沢さん……」
声
知っている声
けれど…
立ち尽くす俺
動けない
囚われた
この光景を壊せない
俺はアイツと一緒にいるんだ
いつまでも――
「相沢さん」
いつまでも
傍らに誰か、居たような気がした
…ちりーん、りーん……
投票結果
- 竹仙人
- ちりーん……
いやインパクト無いですし……
- はむ
- …ちりーん、ちりーん……。カタルシスが得られませんでした。やはり超短編でシリアスは鬼門でしょうか。
- 山の上
- 暗い。
天野の登場の意図がわからないです。
- Manuke
- ……う〜ん。
- 電光刑事バン
- 真琴ネタですが、いまいち興が乗らないのが欠点です。
- Foolis
- なんともいえない、寂しい雰囲気がよかったです。
ただ、少し意味が分かりにくいのが残念。
評価B
- 木村圭
- 避けられない別れは、どうしようもなく不条理だったから。
同じ傷を持っている者の声も届かず。ただ、立ち尽くすことしかできない。
原作とは少し違う終わりのカタチ。でも、この祐一を「弱い」といって非難することはできないでしょう。
- 荒野草途伸
- 5くさとし。
- ふうがみこと
- 単語や文字のイメージだけに頼るのは、SSでも詩でもないと思います。
組み合わせ方・導き方に個性が見たいです。場面から思いつく言葉を並べれば作者さんの心象風景にはぴったりはまるのでしょうが、私の心象風景とは差異ばかりが感じられてイヤンです。
もし単語を並べただけなのに大多数の心象風景とぴったり当てはまるようなものがあるのなら……それはきっと常識とか呼ばれる一般概念なので、読んでも多分面白くないのでは、とか思ってしまいます。
- 歩人
- 過ぎ去った日々を想い涙する。想いに捕らわれ身動きが出来ない。悲しいですね。
- 屈折する星屑
- 何とも言いがたいですが……もっと一点に集中した方がいいかもしれません。
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