「妹なんていない」
僕の妹が「事故」によりその短い命を終えたのは彼女がまだ小学校四年生の時だった。
妹はクラスメイトにベランダから突き落とされた。
そして突き落とした少年には明らかに殺意があった。
僕は彼女が事故で死んだと書いた。だがこれは正しくない。というのは同じ少年でも一定の年齢でありさえすれば「過失」として裁かれていたのかもしれないが、彼はその年齢にはなかった。彼は何の罰も受けずに、次の日からそ知らぬ顔をして学校に登校していた。
妹は最初からこの世に存在しない物として扱われた。
騒ぎを起こすなとばかりに、被害者である筈の僕らは白眼視された。
誰かが傷つけられてからでは遅い。
そんな事にすら気付く人は少ない。
想いは報われないものと人は嘯く。
なら一度、踏み躙られてみたらいい。
「これで貴方も少しは人の気持ちを理解できるようになったのではないですか」
我ながら、子供じみた馬鹿げた抵抗だ。
「佐祐理を傷つけたら絶対に許さないから」
妹は今わに、死にたくないと呟いた。
医者はそれを奇跡といった。
医者にとってそれは、確かに起こりえない事だったろう。
僕達はおそらくずっと自分を責め続けるだろう。そんな事など彼らには思いもよらない。僕にはその事が一番悔しく哀しい。
投票結果
- ふぁんほーいどんく
- 久瀬の独白でいいのかな?
ただこれ舞に八つ当たりしただけだよなあ。妹殺したの少年と書いて
あるし。
突き飛ばした「彼」だが社会罰ぐらい受けると思うが。子供らの親が「人殺し」
だと噂するだろうし、親の影響を受けた子供たちがいじめや仲間はずれにして
もおかしくはない。学校側がもみ消して事故として処理したのだろうか。
仮に殺したのが一弥だとしても舞に言っても仕方ないよなあ。
- Manuke
- ……はい?
- 山の上
- 暗いですね。
- Foolis
- すみません、意味が全く分かりません。
評価C
- はむ
- うーん、あと一つほしいです。雰囲気は出ていたと思います。
- 屈折する星屑
- んんんん? 久瀬が舞と敵対する理由ってことでしょうか。
よく解らない…。何が言いたいのかもよく解らない。
とりあえず、「死にたくないと呟いた」のくだりはいらないような。論点がぶれている印象です。なに論じてるのか解ってないのでそうでもないのかもしれませんけど……似たようなこと(残酷な奇跡)を、某長編ダークSSで読んで、そっちで衝撃受けたことがあるので。
- 電光刑事バン
- おそらくは久瀬ネタと思われるが、正確な描写が無いために評価不能です。
- 荒野草途伸
- やっぱり1kじゃむずかしいですね。
5くさとし。
- ふうがみこと
- あ、ちょっと好き。
久瀬のSSで久瀬に好感持てたのは、初めてかも。
- 歩人
- うぬぅ……過失でも人を殺してしまえば素知らぬ顔で通えるかどうか……そもそも、子供達がソイツを排斥しそうな気がする。子供ってのは少数派の異なる人間を排斥する機能が殊更強い生き物ですから。
- 投票者四回目
- 参考になるかは不明ですが、私の場合、三秒考えて意味がわからなかったらスルーしてしまいます。
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