DREAM


　温かい日差しの中を祐一くんと共に歩く。
　周りには青々とした新緑の若葉。
　それらはボクに、決して来る筈のなかった春の到来を知らせてくれる。
　今、ボクは奇跡の中にいる。
　とてもとても幸せで……ボクはたまに、これが夢なのではないかと不安になる。
　でもボクは、もう恐れない。
　コレがたとえ夢だとしても、ボクは確かに幸せを感じられるから。
　生きていると実感することができるから……
「どーした、あゆ？　たい焼きの食い過ぎで気持ち悪くでもなったのか？」
　さっきから黙っているボクをからかうように祐一くんが声をかけてくる。
「何でもないよ祐一くん。早く帰らないとお昼ご飯に間に合わないよ」
　祐一くんの手を取って、有無を言わさずに走り出す。
　何て幸せな時間……ボクは本心からそう思う。
（だから神様……
　もし、これが夢だとしたら……ずっと夢を見させてください……）
　季節は春……町を覆っていた雪はもうなく、新たに歩き始めた二人を祝福するように、温かい日差しが世界を包んでいた。

投票結果

屈折する星屑
悪くはない。悪くはないんだけど……という感じですな（ぇ


山の上
普通ですね。


Manuke
夢だったりすると切ない……。


はむ
夢は……掴むんだ！（叫び


Foolis
あゆの心情がなかなかよく描けていていい感じでした。
評価Ｂ


電光刑事バン
　あゆエンド後の二人としては面白いと思います。
　しかし、アンソロジーの方で似たような話を読んだことがあります。


木村圭
タイトルからするとこれは全部夢のような気がしますが、多分私の浅はかさゆえの勘違いでしょう。
これが夢だというのなら、あまりに悲しすぎますから…。


荒野草途伸
４くさとし。


ふうがみこと
普通なんです。どこかに普通じゃない一部分を入れて欲しいと思うのは、私の我侭なんでしょうか。


歩人
切ない祈りを感じる。


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