取り扱い注意
俺が思うにこの街の冬ってのは危険物で一杯だ。溶けかけた雪だらけの歩道（を朝全力疾走すること）、軒先の氷柱（ほら、映画でブルース・ウィリスだってあれで人殺してたじゃん？）、凍ってると思いきや薄氷が張ってるだけで踏み込むと氷が割れて足がぐしょ濡れになる水溜りトラップ、スターダストレボリューション食らった気分になれる事請け合いな早朝の空気等々。
そんな物の一つによって俺は白い大地に仰向けに倒れ、周囲の雪を己の生命の証（血、とも言うな）で深紅に染め上げていた。傍らには泣きじゃくる栞がいる。そして余計な事に俺の名前を呼びながら出血している頭を揺さぶり続けるから意識が薄れてきた。
「なあ、栞」
「祐一さん！ 大丈夫なんですか？！」
興奮する栞の必死な表情を見て落ち着かせる事は諦めた。だが、このまま終わるつもりはない。たった一言だがこれ以上ないくらい重要な事を言わずに終わってなるものか。
「栞、聞いてくれ」
「は、はいっ」
血の流しすぎか、視界が暗くなってきた。最後の力を振り絞る。
「雪球に石を入れるのは、反則、だ」
栞と雪合戦した日の事だった。
投票結果
- Manuke (採点:1)
- 栞が可愛い〜。
- 屈折する星屑
- 冒頭でちと期待したのですが、オチが弱かったかと。
- Revin (採点:1)
- おもろい！
- 山の上 (採点:1)
- 畜生・・・そうきやがったか・・・
なんてすばらしいオチなんだ。
油断してましたので、爆笑してしまいました。
いい仕事です。
- はむ
- 栞、有罪。
- Foolis
- 原作でもそういう台詞があるせいか、笑えなかった。
採点していて思うが、ほんとに超短編は難しいですよね……。
評価Ｂ−
- 木村圭
- 一体どんな大きさの石を入れたんですか。ああ恐ろしい。
早く、早く救急車を呼ばないと。
- ネクロマラン
- いや、「血の流しすぎか」って……^^;
どんだけのスピードで雪玉投げたんですか、栞さんは…。
- 電光刑事バン
- 北国の早朝の空気はスターダストレボリューションじゃなくて、ダイヤモンドダストです。
それに雪だまに石を入れるなんて古典的なオチじゃなくて、雪を固めた氷とかにすればいいと思います。
- ねこにん
- ただ単純に笑わせてもらいました。
栞も興奮してないで心配してあげようよ…。
- waya_k
- 次点。
初っ端のノリでどこまでもいって欲しかったような。
- 荒野草途伸
- ６くさとし。
- ふうがみこと
- 前半……祐一の台詞が入るまでの部分を、シリアス風味にすれば私の趣味に合ったかも。
後半、とくにオチはなんか好きです。
- クリボー
- う〜ん、ありきたり。もう他に言いようがなくありきたり。
- 歩人
- ちょっと笑った。
- 名無し＠デフォ
- オチうまい。
- 投票者四回目 (採点:1)
- 一行目と二行目は通し読みしましたが、最後はいい祐一ですね。
- Xardion
- それは実に危険です、うん。
後ろに行くに従って文量が減っていたのがヒットしました。
私的最終候補のひとつでした。惜しい。
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