笑顔
「どうしてですか!?」
私の声に相沢さんは驚いたように振り返った。
「……楽しくなかったか？」
「そんなことを言っているのではありませんっ」
「さっきはお菓子が取れたってあんなに喜んでたのに」
「そ、それとこれとは話が別です！」
相沢さんが指さした袋を私は思わず握りしめた。
ゲームセンターで取ったお菓子。空から降ったお菓子じゃないけど、と相沢さんは笑っていた。
そう、笑っていたのだ。楽しげに。
今日１日、ずっとそうでした。
どうして――
「相沢さんは……相沢さんはもう真琴のことはどうでもいいと言うのですか？」
「そんなことはないさ」
俯いた相沢さんの、絞り出すような掠れ声。
「ならどうしてですかっ」
私の声も掠れている。
「俺は弱い男だから……奇跡なんて起こせないから」
そういうと相沢さんは頭を上げ、私を見つめた。
優しげな……本当に優しげな笑顔で。
「だから、せめて笑って……みんなで笑って、あいつが帰ってきたいって思うような居場所を作っておいてやることしかできないから」
ああ。そうだった。
相沢さんはこんなにも強い人なのだ。
「私にも――」
「ん？」
「私にも手伝わせて貰ってよろしいでしょうか？」
私の問いに――笑顔に、相沢さんも嬉しげに笑い、頷くのでした。
投票結果
- Foolis
- 雰囲気はいいのだが、意味が分かりにくい。それが残念。評価Ｂ−
- Manuke
- 短いのがあだになってる……。
- Revin
- 普通、と思いました。
- はむ
- 短編を超短編に圧縮したような感じを受けました。
- 山の上
- あきらかに削りすぎですね・・・
- 屈折する星屑
- １ｋで表現しようとするべきネタじゃないかな、と思いました。これでは足りない。
- 電光刑事バン
- 祐一×美汐ネタですが、ストーリーのまとまりの悪さを感じます。
- 木村圭
- 悲しみに沈んでいる所よりも、笑顔が溢れている所の方が帰ってきそう。
祐一、強いですね。
二人は、これからもずっと笑顔を絶やさないでしょう。ずっと、ずっと。
- 荒野草途伸
- 羊羹もカステラも、端っこがうまいんです。切り出してしまうより。
２くさとし。
- ふうがみこと
- 一番好きなのが真琴シナリオ。そして一番嫌いなのが真琴シナリオ。
その嫌いな所を際立たされたので、ちょっと……ごめんなさい。
- 名無しさんだよもん
- お菓子の事から真琴EDの後の話だと思われるけど、
あのEDの時点で祐一は強い人なのだと美汐は思っていたような。
真琴が消えた翌日に笑ってたらそりゃ美汐が怒るのも分かるけど、
時間が経ってもそういう事言うのは分かりにくいな。
何かきっかけでも無いと。
あと、なんか最後だけ口調が変わってる。
- 歩人
- ふむ、悪くない。
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