SNOWING


　雪が降る度、振り返ってまだ待っている自分がどこかにいる。
　あれからどれくらい経っただろう？
　もう終わったことだ、そう言い聞かせても完全に振り切ることが出来ない。
「名雪？」
　気がつけば、目の前に香里。
　そういえば今日は、珍しく部活がないから香里と帰ってるんだっけ。
「また何か考えてるの？」
「そんなことないよ」
「嘘」
　香里には、何故かいつも見透かされる。
「ほんとに大丈夫だよ。わたしには香里がいるもん」
　雪が降る度に思い出してしまう。
　楽しいユメと、悲しいキオクを。
「……仕方ないわね。優しい香里さんが奢ってあげるわ。でもいつか出世払いで返してよね」
「それって、奢るって言わないよ？」
「そういうこと言うとやめるわよ」
「冗談だよ。ごめん香里〜」
　いつもと変わらない日常。優しい香里。
　きっと、わたしは幸せなのだ。こんなに心配してくれる親友がいる。
　大丈夫。きっと大丈夫。
　こんなとき、甘えられる人が側にいるから。
「ほら、行くわよ」
「うん。香里大好き」
「何いきなり？　大丈夫？」
「ひどいよ香里」
「冗談よ。何食べたい？」
「決まってるよ」

　今年もまた、雪が降り始めた――

投票結果

山の上
この作品本編前の話なのでしょうか？


ふうがみこと
これまた……むずかしいなー。
会話も心情も、中途半端かな。読み易いんだけれど、どっちかに絞ってもらいたかったです。


Manuke
ちょっと切なくて、いい感じです〜。


はむ
ゆ〜きやこんこん。あ〜られやこんこん（何


電光刑事バン
　名雪が祐一に振られた後のエピソードで、香里との絡みの表現は良かったです。
　ただ、この場合の香里も栞死後だとしたら、光まで明るく振舞えるのかが疑問です。
　そうなると考えられるのは栞エンド後の二人と言う事になりそうです。


Foolis
二人のなんともいえない雰囲気はいい感じでした。
評価Ｂ


言之米
親友って良いね。


ぬ〜 (採点:3)
香里話ですね。僕自身香里が結構好きなんで、こういう話は好きです。なんか香里が姉で名雪が妹って感じですね、この雰囲気は。二人の友情がしっかりと書感じられる作品でした。


荒野草途伸
５くさとし。


木村圭
香里はいつまでも側に居てくれるわけではない事にいつ気が付くのでしょうか。
結局は、自分が振り切らなければならないこと。そうしないと、いつまでも辛さは消えません。
楽しい夢と悲しい記憶。二つの対比が名雪の辛さを感じさせてくれました。


名無しさんだよもん
香里があんまり印象に残らないような。
例のアレではなくても何か決めのセリフが欲しい所か。


歩人
香里がいるもん……なかなか、意図が微妙な台詞。


屈折する星屑
悪くはないけど、特別に良くもない、かな。


投票者四回目
私は心が汚いので、いけない関係を想像してしまいます。


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