再会


玄関の戸口に、小学生くらいの背丈の男の子が立っていた。誰だろう？声をかけようと伸ばした手が不意に止まる。

胸のざわめき。

目の前の男の子を見ていると、何処だかとても懐かしい。ずっと見つからなかった大切なおもちゃを偶然見つけて、ほんの一瞬胸を詰まらせるような、そんな感覚。
突然の不思議な気持ちに戸惑いながらも男の子に近づいた。

「こんにちは。うちにご用？」

私の声にビクリと振り返ったのは、まだ幼さの残る顔立ち。見知った顔ではないので、近所の子では無さそう。
もっともご近所の子供達を完全に把握しているわけではないのだけれど。

「驚かせてしまったみたいね。私は、天野美汐。この家に住んでいるのよ」
「あまの、みしお」

聞き覚えのない声に首を傾げる。
勘違い？でも、胸の奥の気持ちは懐かしさに抱きしめてしまいたい、と思うくらいに膨れあがっていた。

「ただいま、みしお」

ただいま？
全く記憶に無い容姿や声の男の子。
だけど、たぶん、間違ってはいない。だから、

「おかえりなさい」

私の言葉に男の子は、顔をくしゃくしゃにして嬉しそうに笑った。
つられて私も笑った。

投票結果

Manuke
ほのぼの〜。


山の上
超短編に出す話ではないですね。


はむ
私は笑えませんでした。


屈折する星屑
ちょっと美汐の感情の変化が薄いかなぁ……。
あんまりやりすぎるのもアレなのかも知れませんが。
もう少しくらいはあっても良かったかも。


電光刑事バン
　基本的に美汐×オリキャラなのでしょうが、大作のプロローグ的な構成は減点対象です。


Foolis
ネタてきに好きですが、もう少しいい感じに仕上げて欲しかったですかね……。
評価Ｂ


ふうがみこと
短編にしてもらいたいようなお話です。
ちょっと、好き。


荒野草途伸
短編のラストに持ってきたら、生かせたかもしれませんね。
３くさとし。


名無し＠デフォ
話はいいが美汐たんの感情の展開についてけねぇ・・
（−１）


歩人
ふむ、普通。


名無しさんだよもん
何にも書いてないけど、なぜだか２０代半ばの人妻美汐のイメージが浮かんだ。
起承転結で言うと、「転」だけを描いてるような感じだなあ。
たとえ一行でも、一言だけでも、伏線を張って消化するというのがあると、
もっと深みが出ると思うんだけど。


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