拳で語れ
奔流する圧倒的な殺気。それを香里は拳を眼前に構える事で受け流す。
敵は二人。相沢祐一と北川潤。女一人に男二人。だが、勝算はあった。
二人が弾けるように離れる。狙いは恐らく挟殺。二人の意図を知ると香里は右方へ大きく踏み込んだ。目の前には北川。彼の顔が驚きに引き攣る。が、構わず拳を突き出してきた。
交錯。倒れたのは北川だった。鳩尾への寸打。一瞬の差が決め手だった。
一対一になっても香里の不利は変わらない。寧ろ先程より悪い。祐一に先程までの油断はなかった。鋭い眼光が突き刺さる。
永遠に近い均衡。じりじりと間合いを計る。互いに笑みが毀れた。
「シャア！」
動いたのは祐一だった。絶対領域に刹那の間で踏み込む。右のストレート。狙いは人中。身も凍るような的確で鋭い一撃。
それを何とか重心を移してかわす。風切音が耳元を掠めた。と、同時に隙が生まれた。
「破ァ！」
気合一閃。脇腹に拳を突き刺す。伝わるのは堅い感触。漏れた唾液が宙を舞い、祐一は倒れた。
残心。後に拳を下ろす。そんな香里に名雪が声をかけた。
「今の、なに？」
「ツッコミ」
日々進化する彼らの漫才。互いを高め、より高みを目指す。
だが、取り残された少女が不幸かというと微妙。寧ろ、安堵してみたり。
投票結果
- ふぁんほーいどんく (採点:1)
- なんでやねんっ！！
ラスト二行が良かった。
- はむ
- バトルシーンをネタに描写してみたという感じの作品。安易過ぎます。
- ふうがみこと
- 赤い３倍速の漫才。でもあまり面白くありませんでした。
- 山の上
- ツッコミかよ・・・って一本とられましたね。
オチがよわいなあ、もったいない。
- Manuke
- えーと……。
- kobax (採点:1)
- ラスト１行が全てででした。
- 屈折する星屑
- テンポがあんまり良くないです。オチも笑えるほどは強くない。
でも、なんか最後の一行には妙な味がある気がします。
- Foolis
- ネタ的にいまいち。北川と祐一の漫才ネタは案外多いせいかね……。
評価Ｂ−
- 木村圭
- お互いにツッコミあってどうする？なんて気がしましたが、そんな事は気にしない気にしない。
二人だった時も油断はしないだろうという点は気になりました。「より高み」を目指しているのですから。
- Revin
- 修羅と化していく彼らに笑った（ｗ
- 電光刑事バン
- オチはともかくとして、祐一たちがどういうボケをしていたのかが気になるところです。
これだとただ香里が暴れているだけです。
- 荒野草途伸
- ５くさとし。
- みすずさん (採点:1)
- ガチガチのバトルシーンから始めて実は……というネタ、私も考えましたがやらなくて正解でした。完璧に負けてました。
ただ、ツッコミ入れられる方が攻撃するのかな、とも思ったり。
- 言之米
- どんな格闘モノだよ！と思ったらｗ
- エレコ
- ちょっとウケました
- 広咲瞑 (採点:1)
- 笑っちまいました。日本一激烈なツッコミです。
- 歩人 (採点:1)
- それにこそツッコミを入れたい（汗。座布団一枚。
- 名無しさんだよもん
- 面白いけど、ツッコミという事は二人はボケ？
ボケというのはいかに上手く突っ込まれるかという役回りだと思うので、
攻撃するのには違和感があるな。
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