エンドロールが消えぬ間に
疲れて空っぽになった頭で、ぼんやりと白い英文が流れるのを見ていた。正確には、あたしの目が向いている先に、何かが上から下へとスローモーションで落ちていくのを感じている、という程度だった。名雪は隣であくびを噛み殺していた。あたしが映画に誘ったときも、名雪は乗り気ではあったけれど、どうでもいいという感じだった。この子が眠たそうにしているのはいつもだと言えば、それもまあそうだ。
「明日ね、祐一が来るの」と、名雪は外に出るなり言った。ああ、電話で言っていた男の子のことね、と目を細めながらあたしは返した。名雪は、何か考えているようで、何も考えていないかのようで、やっぱり何か考えているような顔をしていた。まるで、機械仕掛けのオレンジだ。
「今日の映画、ちょっと、昔のこと思い出しちゃってね」
確か、友達以上恋人未満の、よくある関係の男女の話で、最後は女が去った男を待ち続ける、というものだった。彼女が言うのは、そのシーンなのか否かは解らない。でも、彼女の中で、さっきの映画のエンドロールはまだ続いているようだった。上映が終わって幕が下りれば、程なくして再び幕が上がる。そんなときは大抵、ポップコーンを買いに売店で並んでいる最中なのだ。
投票結果
- Manuke
- エンドロールって、下から上が普通じゃないかな？
- 雨音
- 改行は容量に含まれないのに……
- 山の上
- １ｋでやる話ではなかったですね。
- はむ
- 読みづらいし、何が書いているのかわかりませんでした。
- 屈折する星屑 (採点:1)
- >機械仕掛けのオレンジ
どこかでこの言葉、見た覚えがあるのですが……これ、どういう意味なんだろう。どういう意味で使っているのだろう。でもなんとなく、この言葉が出てきたとき、作品に惹き付けられました。不思議なセンスが漂う言葉ですね。それまでは普通かなと読みながら思っていたのですが。
そして、それだけじゃなくて、最後の終わり方にもセンスを感じました。ポップコーンなんて買ってないで、イチゴサンデーをおごってもらえることを期待しましょうｗ。文句なしです。
じぎーは１のダメージを受けた！！
- 電光刑事バン (採点:1)
- 祐一が来る前の名雪と香里の映画エピソードだと思われますが、文章量が少ないためにいまいち大意がつかめませんでした。
機械仕掛けのオレンジという表現も意味がわかりません。また、これから始まる壮大なストーリーの始まり的な内容も減点です。
- Foolis
- ちょっと私には作者さまの意図が分かりにくいですね。
解説を望みたいです。
評価Ｂ
- 荒野草途伸
- 閉じてませんね。
評価外。
- ふうがみこと
- 名雪の言葉のわりに、名雪の行動には疑問が残ったり。
- waya_k (採点:1)
- ……こういうのを読むと、ああ、敵わないな、と思わされます。
素直に上手い。悔しいけど、歯が立ちません。
- 歩人
- ふむ、普通。
- 名無しさんだよもん (採点:1)
- 気に入った。オチは分かりにくいけど。
あと、「機械仕掛けのオレンジ」って比喩の比喩だからなんか違うような。
でも、ただ映画見たってだけの話なのに、Kanonのストーリーがフラッシュバックするような、
そんなSSだ。
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