Ｅａｓｙ Ｒｏｍａｎｃｅｓ
樹の上で小さな二つの影が揺れていた。
「ほら、あゆも立てよ。樹に登れたなら立つくらいどうってことないだろ」
「う、うん……」
俺は我が目を疑う。どこで狂った。何故、奴があゆと一緒に樹に登っているんだ。
「今すぐ下りろ！」
何のために俺がこの世界にやって来たと思っているんだ。
この世界は限りなく上手くいっている。
平凡で平穏な暮らしが、すぐそこに待っている。
俺は二人をこの樹から追い払うつもりだった。
それが駄目なら、落ちてきたあゆを受け止めるつもりだった。
だが最早悠長にしている暇はない。
「平気だよ、怖くなんかないし」
「下りろ！」
歯噛みする俺をよそに、奴は片足飛びで枝の先へと移動する。あゆもだ。
その一歩ごとに心臓が猛り狂う。その高さから落ちたら、どうなるか知っているのか。
不意に、ごぅ、と風が吹く。
「あっ」
七年前と同じ、あゆの気弱な声がした。
バランスを崩したあゆ──そして俺──が落ちてくる。
その表情は恐怖のため、醜く歪んでいた。
受け止めれなければ、と両腕を差し出す頃にはもう、二人は雪の上に倒れていた。
両手が、空をつかんではすり抜ける。
俺はしくじった。
たった今、積み重ねてきた奇跡はほんの一瞬で崩れ落ちてしまった。
投票結果
- 山の上
- は？
どゆこと？
- Manuke
- ……はへ？
- はむ
- よくわかりませんでした。
- 屈折する星屑
- 足りない…。言いたいことは分かりますが、やはりこれだけでは。
- Foolis
- 状況はわかるが流石に説明不足を感じる。
それが残念。評価Ｂ−
- ふうがみこと
- 積み重ねてたのかな。
ゲームから続いてる話なら「積み重ねてる」でもいいと思うのですが、そうでないなら不適当だと思います。夢オチなら気にならなかったんですが。
- 電光刑事バン
- どうもいまいち状況が読み込めないのが減点対象です。
- 荒野草途伸
- １０くさとし。
- 歩人
- 歴史は繰り返す。
- 言之米
- や、後先在る文章の一場面だけ抜き取ったものを見せられても評価できませんよ？
超短編掲示板へ
戻る