黒白の物語
少女は、ヒロインになりたかった。
少女は、孤独だった。だから、いつも一人で遊んでいた。
動き回ることに飽きたときは、本を読んだ。冒険に溢れた、物語を。
その物語の中では、勇敢な男の人と、心優しい女の人が、迫りくる敵たちと戦っていた。
子供心に、その世界にあこがれ。そして、物語の登場人物と、自分を重ね合わせる少女。
そんな空想を重ねているうちに、少女は、いつも自分と一緒にいてくれるパートナーを求めるようになった。
ふたりでなら、少女を襲う現実の悪意たちと、戦うことができるような気がしたから。
そのうち、少女はひとりの少年と出会う。
それはとても不思議な少年で。少女は、この人となら、ずっと一緒にいられると思った。
でも。ふたりで遊んだ楽しい時間は、唐突に終わりを迎える。
少年に告げられた、別れの言葉によって。
一度は納得し、自分の家に戻った少女だったが。
部屋に入って目に止まったのは、昨夜も寝床の上で読んでいた、あの物語。
少年と出会ってから、以前にもましてのめり込んだ話だった。
だから少女は、パートナーを求め、必死に願った。
それは、悲しく、自分勝手な。
それでも、少女の夢に彩られた嘘だった。
「……魔物がくるのっ」
投票結果
- ふうがみこと
- ちょっと私のイメージと違う。
- 山の上
- 足りない。
- Manuke
- ふむふむ。
- はむ
- ああ、無限ループ。
- 屈折する星屑
- 舞が祐一を求めたのは、そういう理由ではないと私は思いますので。
- 電光刑事バン
- 舞の魔物出現理由が薄いですね。それが減点対象です。
- 木村圭
- そして、果てのない戦いが始まる、と。
舞が魔物という形で祐一を引き止めようとする理由。
子供らしくて、違和感がなくて、いい作品だと思いました。
- Foolis
- なんともいえない、寂しい感じが出ていていい感じでした。
評価Ａ−
- 言之米
- 浅はかな子供の考えですね。
- 荒野草途伸
- ８くさとし。
- 歩人
- もう一人ぼっちは嫌だったんですね……。
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