かのんSSこんぺ・結果発表
香里「……いよいよ、かのんＳＳこんぺの結果発表ね」
栞「わ、お姉ちゃんが第一声です」
香里「あたしと栞しかいないんだから、仕方ないでしょう」
栞「あれ？ 祐一さん達はどうしたんですか？」
香里「遅刻」
栞「祐一さんはいつもの事としても、倉田先輩なんかも遅刻ってのは珍しいですね」
香里「ああ、倉田さんは『遅れます』って電話が来てたけどね」
栞「で、どうするんですか？ 無駄に行数だけ増えていきそうですけど……」
香里「待ってられないわね。とっとと発表しましょう」
栞「はい、それでは、第１０位の発表です！」
第10位 63.62pts 『特別天然なゆ記念物』
栞「といういことで、第１０位はコンタミンさんの『特別天然なゆ記念物』でした」
佐祐理「あははーっ。これは、ギャグ系のお話ですね」
舞「……面白い」
香里「いきなりの登場ですね、先輩方」
佐祐理「あははーっ、すみません。ちょっと遅れてしまいました」
香里「まあ、こういうギャグの作品を解説するっていうのは、面白くないわね。実際に、皆さんに読んで貰った方がいいでしょう。タイトルが、内容のほとんどを語っているしね」
佐祐理「シリアスな作品が多かったですから、こういうお笑いの作品を読むのもいいですよね」
香里「ええ、感想の方をみてみても、『とにかく笑えた』って感想が多かったわね……でも、ネタがブラックな所が引っかかった方もやっぱり、いるみたいね」
佐祐理「そうですね、そう言うところで好みが出てきてしまうのは、しょうがないかもしれません」
香里「しかし、肝心の名雪が来てないわね」
栞「名雪さんは、先天性寝坊症候群ですからね」
香里「……否定出来ないわね」
舞「順位変動は？」
香里「こんな感じね」
佐祐理「はぇーっ。徐々に徐々に、順位が上がっていって、最終的には１０位で落ち着いたという感じですね」
香里「ええ、でも、１０位あたりはポイント差は僅差だったから、あの辺の作品がどれが来てもおかしくなかったわね」
栞「運が左右した……んでしょうか？」
香里「そうね、そうかもね」
佐祐理「えーっと、では。第９位の発表に行きましょうか！ それでは、発表です！」
第９位 64.30pts 『フィルター』
香里「９位は、成さんの『フィルター』……これは栞モデルにした作品ね」
栞「えへへ、嬉しいです」
香里「でも、栞は、絵だけでなく写真も下手なのね」
栞「そ、そんな事言う人嫌いです！ それにそれはこのＳＳの設定ですから、本当は上手いかも知れないじゃないですか？」
香里「……栞は放って置いて、内容に行きましょうか」
佐祐理「そうですね。」
栞「無視しないでください〜」
香里「これは会話文が多いし読みやすいってのもあるでしょうね。カメラの専門用語で、難しくなりそうなところだけど上手く出来ているんじゃないかしら？」
佐祐理「感想の方は……そうですね、日常のシーンや雰囲気がいい、という感じの感想が多いみたいですね」
香里「そうね、逆に話の締め方の方は、『いい』って感想と『ちょっと……』という感想が半々のようね」
栞「え？ この話って、もしかしてあゆさん死んじゃってるんですか？」
香里「そうともとれる書き方……って事ね。読者に都合良く判断してもらう手法だけど……普通に考えると死んでしまっている、という感じになってしまうわね」
舞「……お星様」
栞「わああああっ！ あゆさん！ ごめんなさい！ あゆさんの分まで長生きしますから、化けて出てこないでください！」
あゆ「なあんて、言ってると出てくるんだよね……」
栞「！！（←白目をむいて倒れている）」
香里「月宮さん、遅かったわね」
あゆ「えへへ。駅まで逃げてたからね」
一同「（何から！！）」
舞「……順位変動出す？」
香里「ええ、そうね、見てみましょう」
香里「一時は、５位まで上がったのだけれど、中盤で息切れ……なんとか最後には９位にまで持ち直した、という感じね」
佐祐理「そうですね……回復が遅かったりすると、１０位以内、危なかったかもしれませんね」
栞「えへへ、皆さん。これを見てみて下さい」
香里「へぇ、上手く撮れてるじゃない」
舞「……がっしりした三脚に、レリーズを使ってブレを押さえた。写真の粒子の大きさからみると、ＩＳＯ感度１６００のフィルム。レンズもＦ１．２くらいの明るいのを使ってる」
栞「！！」
佐祐理「はぇーっ。舞、分かるの？」
舞「なんとなく」
香里「……というか、そこまで揃えないとボケるってことね。やっぱり、根本的に栞には向いていないわね」
栞「そんなこと言うお姉ちゃん、嫌いです」
佐祐理「次々と発表を進めましょう。次は第８位ですね」
あゆ「（なんだか、倉田さん、オチからの回復役に使われているような気がするよ）」
第８位 66.85pts 『ものみの丘の桜の日』
天野「第８位は、ADNISさんの『ものみの丘の桜の日』ですね」
あゆ「天野さん、やっと来たんだね」
天野「自分が題材の作品の発表に間に合わなければ、人としては、不出来でしょう」
栞「でも、お姉ちゃんがいなくなっちゃいましたね」
佐祐理「祐一さんを呼びに行ったようですよ、主人公がいないと流石にしまりませんからね」
栞「ところで、これはどんなお話なんですか？」
天野「そうですね……真琴シナリオの最後の絵は知ってますよね？」
栞「ええ、気持ちよくお昼寝してるＣＧですね」
天野「微妙に違う気がしますが、その絵です。その絵をイメージにした作品です。私の過去とそして、みんなの未来……そんな所でしょうか。所で、栞さんは全部の作品を見なかったのですか？」
栞「えへへ、私の書かれてるＳＳは全部見たんですが」
（ドタドタと何かが駆け込む音）
祐一「はあっ……はあっ！ 間に合った！」
名雪「到着だよ〜」
あゆ「祐一君と名雪さん……全然、間に合っていないよ」
祐一「いや、第１位の発表に間に合えば、セーフだ」
あゆ「……そうなのかな？」
香里「これで、全員揃ったのかしら？」
天野「真琴がいないようですね……」
祐一「あいつのことだから、どっかでマンガの立ち読みでもしてるんだろ、佐祐理さん。先に進めてくれ」
佐祐理「あははーっ、分かりました。感想の方は、天野さんの内面描写が良かったという感想が多いですね」
あゆ「うん、でも、最後の展開がお約束なのが気になるって意見も多いみたい」
栞「私は、お話の中でくらい、ハッピーエンドが見たいですけど……そうじゃない方も多いって事ですかね」
あゆ「じゃ、次は順位動向だね あれ？ 舞さん、どうしたの？」
舞「……私も何か言いたい」
あゆ「じゃ、順位動向のコメントはボクとやろうよ」
舞「はちみつクマさん」
あゆ「わぁ。この作品は、ずっとＴＯＰ１０に入っていたんだね。でも、徐々に順位が落ちちゃったみたい」
舞「（頷いている）」
あゆ「あ、でも下がっちゃったのは一時期だけで、あとはずっと横ばいだったんだね」
舞「（頷いている）」
あゆ「ううん、ちょっと残念だったね」
舞「（頷いている）」
あゆ「舞さん、結局、喋ってないよ」
舞「はちみつクマさん」
祐一「おう、じゃ７位の発表をするぞ」
佐祐理「あははーっ、祐一さん復活ですね」
祐一「いつまでもへばっていられないからな。じゃ、７位になった作品はこれだっ！」
７位 67.32pts 『幽霊より愛をこめて』
栞「あっ、また私の作品……って、私が死んでるじゃないですかっ！」
香里「死んでまで、悪戯をする妹を持った不幸な姉を描いた作品ね」
佐祐理「それは違うんじゃないでしょうか……」
香里「……」
祐一「まあ、当事者の二人を置いておけば、なかなか笑わせて貰ったよな」
あゆ「『スカ』だもんね……ボクだったら、三日間は立ち直れないよ」
名雪「でも、祐一でもやりそうだよね、そんなこと」
あゆ「あはは……（乾いた笑い）」
天野「感想をみても。『スカ』の効果は絶大だったようですね。栞さんが亡くなっている、というのに嫌悪感を持ったような感想も無さそうですし……お見事だったようですね」
栞「私がしんで……私は……」
あゆ「でも、当の栞ちゃんは戻って来れてないみたいだよ」
香里「仕方ないわね、ちょっと医務室に連れて行くわ。２，３位ほど進めているうちに回復するでしょう」
祐一「医務室ってどこだ？」
あゆ「気にしたらダメだよ」
祐一「順位は見ての通り……初日を除けば、最初から最後まで７位前後の位置をキープ。色んな人が採点しに来たと思うが、安定して好評価をＧＥＴしてたって所だな」
あゆ「すごいね」
あゆ「さあ次々行ってみよう！ 今週の第６位と、昭和３４年の第６位の発表だよっ」
祐一「なんだよ、その昭和３４年の第６位って」
あゆ「うぐぅ、なんとなく勢いで……」
６位 67.48pts. 『不適切な関係』
祐一「ボケボケのあゆあゆは放って置いて、第６位は、『不適切な関係』、作者は……っと、非公開（※結果発表当初は非公開でした）みたいだな」
名雪「わたしと祐一の同棲生活の話だね」
祐一「というか、名雪が一方的に押し掛けてきたんだから、寄生生活というべきだろ」
名雪「嫌だよ、そんな生活……」
天野「生活名は置いておいても、名雪さんが暴走していますね……押さえていたたがが外れてしまったのでしょうか？」
名雪「祐一は鈍感だから、この位しないとダメなんだよ」
あゆ「それにイジワルだもんね」
祐一「（俺はそんなに言われるほど、何かをしたのか？）」
天野「しかし、そんな壊れた名雪さんをもって最後には上手く締めていますね」
あゆ「笑いの要素もたっぷりで、美味しいお話だね」
天野「感想の方はどうですか？」
あゆ「うーんっと、笑いの中にあるほのぼのさが良かったという中で、ちょっとこの作品は……って意見もちらほらあるみたいだね」
佐祐理「癖のある作品を書くと仕方ないのかもしれませんね」
舞「……順位変動」
祐一「おう、ありがとうな」
佐祐理「はえーっ。癖のある作品だと思ったんですが、安定して高順位をキープしていたんですね」
天野「癖があることで、ダメだった人は一握りだったんでしょうね。コンペという舞台で考えれば成功なのでしょう」