雪の国のメルヘン
昼に降る光の雨は
人々がすむ場所に
きらきらと眩しく輝いて
人々の優しい心を………ぽかぽかと。
ぽかぽかと………暖かく包み込んでいるのでありました。
光の雨といっても、それはまるで雪のように
妖精か何かの生き物のようで
さればこそ、きらきらと
優しく舞い降りてもいるのでした。
さてその光の中に
一人の可愛い天使が舞い降りました。
そっと、天使が下を見下ろすと。
そこには仲良く歩く、かつて親友だった二人の男の子と女の子がいました。
その二人はとても仲が良く見えたので
天使さんの目に………涙が溢れ出しそうになってしまいました。
けど。
一生懸命、その涙をこらえて。
優しく。祈るように語りかけました。
祐一君………
天使になっちゃったボクは
この青い空の下からそっと
見守ってあげることしか出来ないけど
ボクの願いは叶ったから
ボクはそれを後悔しないよ
だからね、祐一君
祐一君も………今この幸せを大切にしてね
名雪さんを………大切にしてあげてね
これが………ボクの本当に最後のお願い
………約束………だよっ？
その時、雲の上にいた天使さんが
まるで花火のようにはじけて
きらきらと輝く粉雪になりました
それは、綺麗で優しくて
雪の町に住む人々を
優しく包み込んでいきました
そして………
「あっ………」
そこを歩く二人の顔にも………
「雪だね………」
「そうだな………」
温かい笑顔が映っているのでありました………
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雪の国に伝わる、一つのメルヘン。
あなたたちの町にも………きっとあるはず。
こんな………心温かいメルヘンが。
〜おしまい〜
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