第3回かのんSSこんぺ・中編部門結果発表

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第7位

投票数 87 : 単純平均点 7.21
10点	13
9点	12
8点	16
7点	14
6点	13
5点	11
4点	6
3点	2
2点	0
1点	0

No.067 恋人達へのポートレイト　　written by ADNIS



「これは……俺と香里の話か」

「そうみたいね」

「今度は栞が死んでるな」

「まあ、そこは……話の都合上、必要不可欠なんじゃないの。栞も納得してるでしょ？」

「してませんっ！　全然っ！　死ぬなんて嫌ですっ！　……と言いたいところですけど、あまりにも良く出来た作品なので考えてしまいますね。私にとっては、祐一さんに出会えたことが一番の奇跡――うー、すっかりさっぱり惚れてしまいました。いい仕事してます、って感じで！」

「こら、あんまり興奮しすぎないの。……で、どうかしら、この作品」

「誰かが死ぬ作品がこれだけ並ぶのって、ある意味凄いことなんじゃないか」

「確かにね、これで４作品連続……まあ、何かを暗示しているような気がしなくもないけど、今はそれをうんぬんするところじゃないから」

「だな。……にしても、こういう話って、当事者は語りづらくないか？　なんか、気分的にさ」

「あたしも、同意かな。というわけで栞、お願い」

「はいっ、分かりましたー。ばりばり語っちゃいますね！　えっと私、この話じゃ天に召されてあっぷっぷですけど、それでも全然許しちゃうくらい、お姉ちゃんと祐一さんの私に対する想いが書かれていると思います！　雲の上から二人を見ていた私も、きっとあの場面では滝のように汗を流して……涙を流していたと思いますよ。あの日の帰りは雨になったに違いないです」

「なんか、しょっぱそうな展開だな」

「いきなりいい雰囲気をぶち壊しにしないでくださいっ」

「雲の上でトレーニングでもしてるのか、栞は。あれか、やっぱり胸筋か」

「そんなこと言う人、嫌いですっ！」

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第6位

投票数 79 : 単純平均点 7.23
10点	7
9点	13
8点	18
7点	16
6点	14
5点	5
4点	4
3点	0
2点	1
1点	1

No.088 春に降る雪　　　written by 夜羽



「毎度お騒がせしております。ちりがみ交換天野みっしーでございます」

「……相沢さん、声まで似せて人の真似をしないでください」

「似てただろ？　ちりがみ交換のところが特に」

「そういう問題ではなく」

「じゃあどういう問題なん……っと、作品の話でもしようか」

「でもではなく、そっちがメインでしょうに。それに相沢さん、カケラも登場していないではないですか」

「しゃしゃり出るなって言いたいわけか。みっすぃは酷いな」

「……まあ、話が弾むのでいいですけど」

「また私、死んでますね……」

「いや栞、これは死んでるうちに入らないだろ。作中では九割がた生きてるし。むしろプチ死に？」

「なんですかプチ死にって……うーんでも、今回もいい話ですよね。また余裕で許せちゃいそうです、死んでても」

「死んでても？」

「はい、だって、いい話じゃないですか！　ドラマみたいな」

「流石、死に慣れてる奴の言うことは違うな」

「私自身は死んでませんっ。別の私がたくさん死んでるだけですっ」

「いや、その表現もどうかと思うぞ」

「……はぁ」

「あ、香里がへこんでる。おい香里、あんまり落ち込むなよ。生きてればまあ、誰だってそのうち死ぬさ」

「どこをどう解釈しても励ましてるようには聞こえないんだけど……？」

「落ち込んでる人間は基本的に落ち込ませておくのがいいからな。で、落ち込みは済んだのか」

「……おかげさまで。なんだか馬鹿らしくなってきたわ」

「そりゃ良かった。で、この話なんだが、香里に語らせるのは辛そうだから……やっぱ栞が適任か」

「そうですね……みっしーがつれないので悲しかったです」

「そうきますか。あれは栞がしつこすぎなんです。あんな粘着質に来られたら、普通は走って逃げます」

「ね、粘着質……人を粘着テープみたいに……」

「そのまんまじゃないですか。もっと語彙を増やしてください」

「人をストーカーみたいに！」

「なるほど。ストーカー栞。結構いい響きですね」

「うぅ、誰かの影響でみっしーが意地悪です」

「まさか俺じゃないよな」

「他にいませんよ」

「ぐふっ」

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第5位

投票数 82 : 単純平均点 7.32
10点	11
9点	19
8点	9
7点	17
6点	11
5点	8
4点	3
3点	2
2点	2
1点	0

No.099 Disenchant　　written by 七瀬友紀



「毎度ありがとうございます。大出血サービス叩き売り中の天野みっしーでござい」

「声質を真似た上に物騒な表現しないでください」

「あーっ、やっと真琴の話っ」

「良かったね、真琴」

「うん、名雪もっ」

「うむ、美しきかな義姉妹愛。興奮する」

「だんだん相沢さんがおかしな方向に捩れていっているのは気のせいでしょうか」

「うーんでも、祐一って昔はこんな感じだったから、気にしないほうがいいと思うよ」

「でも、気にせずにはいられないところをピンポイントで突いてくるんですよね……」

「祐一なんて無視すればいいの、無視ッ」

「つれないなあ、真琴」

「ええと、この話は水瀬先輩と真琴の関係を主として取り扱った話ですね」

「あんまりそういう話ってないのよねー。もう、みんなもっと真琴のこと書けばいいのにっ、こんな祐一なんか書いてないで」

「ええ、確かに。……それにしても真琴……」

「うん……」

「……この作品の水瀬先輩、恐ろしいですね」

「うわ、みっしーひどいよ……」

「祐一のこと好きな名雪って、ちょっと行き過ぎな話が多いのよね。きっと名雪にそういうのが似合うからだと思うんだけど……」

「真琴、いいこと言うなあ。確かに名雪って狂気じみてることが多いもんな」

「えへん、しょせん祐一とはココの出来からして違うの！」

「すぐに調子に乗る悪い癖だぞ。そんなことで名雪に勝てると思うな」

「名雪とは勝負しないもんっ」

「うー、なんだかわたしだけ扱いがひどいよ……」

「心配するな、みんな心の中じゃ名雪が好きで好きでたまらないんだ。たぶん」

「相沢さんも一言余計だと思います」

「そういうみっしーは二言足りないな。そしてたまに『一言多い』の部分だけを言ってくるのがな」

「否定はしませんが。ところでこのお話では、きちんと水瀬先輩はいい人になっていると思いますよ。真琴に涙まで流していますし」

「そういえば、そうだな」

「誰ですか、水瀬先輩が恐いなんて言い出したのは。失礼極まりないと思います」

「えっと、祐一じゃないの？」

「お前なんでもかんでも俺のせいにしようとするなよな」

「えーっと……みっしー、なんだけど」

「…………(ジト目)」

「……さて」





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