思い出
「あさ〜、あさ〜、朝だよ。朝ごはん食べて〜学校へ行くよ〜」
「う〜ん」
「あさ〜、あさ〜あさ「ポチ」」
「そんな時間か？さて今日も、愛しの姫君を起こして行くか」
いつも通りに制服に着替えて隣にある名雪の部屋に行く、それが俺の日課となっていたのが
コンコン
まーノックくらいで起きるくらいなら俺も苦労はせんのだが、
「おーい名雪入るぞー」
「ちょっちょっとダメ」
部屋の中から名雪の声とは違う人物の返答が帰ってきたんだから
そりゃー驚いたけど、気にしないで中に入ってみたら…
「きゃー」
まだ、お着替え中の香理が居るんだもん。
とりあえず居間で、香理に今までの事を朝食を食べながら聞いてみることに
「で、どうして香理がここに居るんだ？」
「それは、家の家族と名雪と秋子さんが旅行に行って居ないから」
「そんなこと、いつ言ったんだ？」
「そうね、４日前ぐらいかしら」
「まじ？」
「まじ」
「ちなみにいつまで？」
「１週間」
「そんなに」
「えぇ」
「はぁ〜」
「私と一緒に過ごすのはいや？」
上目使いでうるうるしながら近づいてくるから
「めっそうもありません」
断れる男はいないだろう。
「でもさー、食事はどうすんだ？」
「私が作るわ、それにお金も秋子さんから預かってるし。ほら」
どさっ
「にしても、多くない？」
「気のせいよ。それとこれ相沢君にって、なにかしら？」
「手紙だな。書いてることはなんとなく分かる気がするけど」
「祐一さんへ
香里ちゃんを食べちゃダメよ
秋子より」
ゴンッ
あまりの展開に思わずテーブルに頭をぶつけてしまった。
「なんて書いてあったの？」
「ほれ」
ごんっ
今度は香里がテーブルに頭をぶつけていた。
「あいたた…、秋子さんなんてこと書いてくれえるの。そんなこと起こらないのに…本当は起きて欲しいけど」
「とりあえず、一週間は香里と一つ屋根の下って言うことだな」
「そうね。ついでに言っておくけど、今日から学校は休みよ」
「なにー、それも本当か？」
「昨日の朝のホームルームで、先生が言っていたじゃない。まっ、相沢君は寝ていたけど」
「そうか、どうりで香里が私服なんだ」
「そうよ、相沢君も早く着替えてきたら？」
「さーて、今日は天気が良いしどこか行くか？」
「そうねー、相沢君が決めて」
「じゃー、行くか。その前に、弁当作ってくれないか？」
「良いわよ。それじゃー作るけど、何かリクエストある？」
「そうだなー、悩むけど香里が作るんだったら何でもいいぞ」
「そう言われると困っちゃうけど分かったわ。少し待っていてくれる？」
キッチンへ行く香里を見送り、とりあえず近くにあった雑誌を見ながら時間をつぶすことに
そうしていると、ランチボックスを持った香里が来た
「おまたせ、さっ行きましょうか」
「おう、とりあえず着いて来てくれ」
たわいのない会話を挟みながら、ものみの丘に着くと
「うーん、やっぱりここはいつ着てもいいところだ」
「どうして、ここにしたの？」
「わけか、そんなもんはない」
「きっぱり言うわね」
「ただ…」
「ただ？」
「香里と二人っきりで着てみたかっただけだ」
「え？」
「ぶっちゃけ言うと、香里、好きだ」
そりゃー、突然の告白に香里は目を丸くしていた。
「相沢君、今なんて」
「香里、好きだ。付き合ってくれ」
「冗談でしょ」
「俺がこんなまじ真面目な顔して冗談を言うと思うか？」
「うん」
「俺ってそんなに信用されてない？」
「ごめん、突然だったもので。でもね、どうしてあたしなの？相沢君の周りにはかわいい子がいっぱいいるじゃない」
「それは、否定しない。でもな、香里じゃなきゃダメなんだ」
「そんな急に言われたって…」
「答えは今は聞かない。香里だって、名雪の親友だし栞の姉だ、気持ちのがまとまらないだろ？」
「相沢君…。いいえ祐一、わたしもあなたが好き」
「えっ？」
「栞とか名雪がどうとかじゃない。本当に好きなの」
「香里…」
「祐一…」
そのとき、二人は友人から恋人となった。
「祐一ーーーー」
手を振りながらこっちにくる女性
「香里」
二人は、高校を出て同居を始めていた。
その後二人がどうなったかは、皆様が想像してください。
fin
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