SSこんぺ No.024 : Ｆａｔｅｄ　Ｍｅｅｔｉｎｇ　Ａｎｄ　Ｃａｓｕａｌ　Ｏｎｅ (4/4)

これから話すのは事実とは異なるひとつの可能性。
俺が望んだ一つの形。
時は大学時代として。
そこから始まる別の物語。
人として最高の感動を。
それは出会いがもたらす物だと信じて。
どうだろう、人が望むのは幸せだけなのか。
そう、考えさせてくれたこの出会いを、
俺はあえて別の形にして届けたい。

「北川め、俺に買物頼みやがって・・・」
俺は電車で隣町まで買物へと出かけていた。なんと言っても俺たちが通っている大学は田舎にある。超ド田舎であることは間違いない。しかも俺たち（俺と北川だ。俺たちは同じアパートで暮らしている）は車を持っていない。だからこうして電車でいかなければならないのだ。もっともそれは俺たちが貧乏学生だからだが。

隣町は少しは都会で、一通りの物を買いそろえることが出来た。買物を終えた俺は、いつものように近くにある公園の横の喫茶店へと向かった。

カランカラン・・・・

ドアを開けた俺はお気に入りの窓際の席にすわる。店内を見渡すが、人は少ない。もちろん、そこも俺がこの店を気に入っている理由の一つだ。大きな窓の向こうには公園で遊ぶ子供達が見える。無邪気な彼らは今何を思うのか。おそらく何も考えてはいない。それが彼らのいいところだから。大人は多くを考えすぎる。いや、考えさせられているといったほうが、ここでは適切だろう。そんな彼らを見ると、俺はそんなことばかり考えてしまう。どうもよくない癖だ。俺はさまざまな体験の中で、『人』についてよく考えているようになった。その体験の中には香里との出会いも含まれていることは、言うまでも無い。カップを拭いている店のオーナーも、この店の客達も多くの体験をしてきたのだろうか。そう考えると不思議だった。

そうこうしているうちに時間は過ぎ、すっかりとコーヒーも飲み干し、俺は帰る準備をしていた。そんな時だった。

カラン・・・・

ドアを開けて一人の女性が入ってくる。ここからでは夕日の入り具合の関係上、顔は見えない。彼女は近くの椅子に座り、注文をしている。今度は、ちょうど俺とその人の間にガラスの仕切りが有り、またしても顔を見ることはできなかった。何故俺はこんなにもあの人のことが気になるのか、不思議だった。が、結局その人の顔を見ることは無いまま、その日は家路についた。

その数日後の出来事だ。俺はまたあの喫茶店へと足を向けていた。今度は何かこの町に用事があったわけでもなければ、この店に来たかった訳でもない。ただ、あの女性にまた会いたかった。他の人がこんなことを聞けば、必ず笑い飛ばしてしまうようなことかもしれないが、俺には重要なことだった。いや、これが重要なことになると、予想できていたのかもしれない。俺はもっと入り口に近い場所に座った。でも、すぐに席を変え、いつもの窓際へ行った。なんとなくだが、いつものようにしていなければ会えないような気がしていたからだ。本当に意味の無いことだが、これも大切なファクターのような気がした。そして、予想通りといっては語弊があるかもしれないが、彼女はやってきた。もちろん俺には顔はわからない。また、そのまま何事も無く時間は過ぎていき、俺はまた帰ろうとした時だった。どうしたことか、彼女は立ち上がり、どこかへ歩いていった。だが、俺にはもっと重要なことがあった。見えたのだ、彼女の横顔が。少し長めの身長に、見覚えのある、ウェーブの掛かった髪。
整った顔。一見して冷たそうに見える彼女は、間違いなく香里だった。本当に一瞬しか見えなかったが、俺は確信していた。でも、俺は話し掛けようとはしなかった。なんとなく話し掛けづらかった。俺は一人、またアパートへと戻ることにした。

こんなことをするやつは単なるバカであるのは間違いない。だが、俺は毎日のようにその店を訪れては、彼女を待った。２，３日に一度現れる彼女。しかし、１０日ほど経つと、何故か、彼女は毎日現れた。そして、いつも周りを見渡す。それを俺を探しているととるのは俺の単なる自惚れか。いや、そうではない。これは、もしかすると俺が話し掛けてやらなければならないのだろう。そう考えた俺はある日、行動を起こした。

カラン・・・・

俺はその日、いつもよりも遅くに来た。香里はもうきているに違いない。俺はすぐに店内を見渡す。いた。彼女は何をするわけでもなく、ただ外を見つめている。その目線の先には子供達が遊ぶ砂場。それは俺自身のデ・ジャヴュを見ているような不思議な物だった。俺はゆっくりと近づき、声をかける。
「香里・・・何してるんだ？」
俺はなるだけ自然に、気取らずに、そっけなく話し掛ける。
「・・・ねえ、相沢君。あの子達、どう思う」
一瞬だけこちらを向いて、公園で戯れている子供達を指差し、香里はそう言う。俺が考えていたのとはまったく違う答え。その受け答えはまるで、俺がここにいるのがあたりまえのような、そう言う雰囲気をかもし出していた。
「あの公園にいる子達か？」
「そうよ」
「そうだな・・・まあ、無邪気でかわいい、かな」
俺は見た感じそのものを答えた。本心からそう思っていた、あの、ここではじめて香里を見たその時も。
「そのまんまね。でも、わたしもそう思うわ」
「で、それがどうかしたのか？」
「・・・ただ、なんとなく聞いてみただけよ、意味は無いわ」
そこまで言うと、急に彼女は秀麗な笑みを浮かべてこう続けた。
「本当に久しぶりね、相沢君」
まるで今までの日々がどうでもよくなるかのような、彼女のその笑顔。俺はこのときの笑みを一生忘れることは無いだろう、そう思った。
「そうか？昨日もあったけどな」
俺は意地悪っぽく言ってみた。
「やっぱり気づいてたのね・・・もう、ほんとにひどいわね」
そう言ってくすくすと笑う彼女。俺の心が歓喜と幸せに埋め尽くされていくのがわかった。
「ははは・・・おまえはいつから気づいていたんだ？」
「最初からよ」
そう言いながら俺の手を取る、彼女。その手は俺が抱いていた頃と同じ、綺麗で繊細な手だった。変わっていない。おそらく変わったのは、俺たちの歳と考え方だけなんだろう。
「これからどういたしましょうか？香里様」
俺はそう言いながら、彼女を立たせる。
「あら、私をデートに連れてってくれるんじゃありませんの？もちろんたか～いレストランにでも」
「かしこまりました・・・っておい！！」
俺は香里の頭を小突くような仕草をしてみせる。その時、彼女の顔からは玉粒の雫が流れ落ちたように見えたのは俺の気のせいだったのだろうか。少なくとも、俺の彼女に対する気持ちも、彼女の俺に対する気持ちも変わっていないようだった。俺たちは店から出た。どこへ行くかなんてどうでもいい。ただ、二人でいられればそれでいい。俺の視界がにじんでいた事は恥ずかしくて香里には言えない。嬉し涙なんて・・・

もしこういう再会もありえるのならば、
あんな不思議な出会いもあってよかったのかもしれない。
これもひとつの偶然であり、運命だ。
この後二人がどうなるかなど考えてもいない。
ただそこにあるのは幸せと感動。
出会いがもたらしたもの、
そのすべてはこの瞬間に集約されているのかもしれない。

俺がどうしても彼女に伝えたかったこと、
そのどれ一つとして言ってやることは出来なかった。
その悔やみとあまりにも強かった印象が、
俺にこの文章を書かせている。
長く、辛かった日々は、
今、ようやく終わりに近づいてきた。
その中で見つけてしまった出会い。
最初はこれを悔やんだ。
誰もが経験する辛い別れに、
俺は少し違った形で、他人よりも早くに、
到達してしまったのだから。

もし今もう一度会うことが許されるのならば、
いや、会えなくてもいいから、
一言だけ伝えたい。
今だから思える、
こんな素敵な出会いをありがとう、
そして最高の感動を与えてくれて、と。
感謝の気持ちにそれを乗せて。
こんなつまらない文章ではなく、
もっと自分の感情を込めて、
自分の口で、
自分の意志で、
自分らしく。

Accident and Fate,
untimately they are same.
Since all occurrences are fated accidents.
In brief,they spend for same sense nearly.

In this world overspread with sorrow,
Men will experience lots of meeting.
Some may ache,feel sadness and weep.

But.....
I think my meeting was not a mistake.
Since that was a chance,there was a fection in this one.
I hope you to experience more meeting of fection.
As that has unlimited possibilities and becomes immortal memories.

What I was given by her was lots of men's thoughts
that they were desire,sadness,loneliness.....etc.
Men can't live alone,it is not from a physical side.
It is from a side of emotions.
If you are all alone by yourself in the world,what do you think?
Even if there are foods,in ease and comfort,you'll not be satisfied.
And then you'll notice the consequence of existence of human beings.
When you notice it,you'll comprehend this world that has seeds of meeting.
Did I found it?
Anyone must be indefferent to such this.
Still I will go on conveying this to all of men,
insofar as I live.....

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