「祐一、起きてる？」
名雪の声が聞こえる。
「あ、ああ」
俺は何とか目を覚まし身体を起こした。くっ、きつい。
「開けるねー」
そう言って名雪は部屋に入って来た。
「わっ、汗かいてるよ。祐一、大丈夫？」
「大丈夫だ。汗を一杯かけば風邪は治るもんだって聞いたぞ」
「そうかもしれないけど……ちゃんと下着は取替えとかなきゃダメだよ」
「分かってるよ。お前たちが家を出たら着替えるよ。……もう時間だろ」
「あ、うん。……じゃあ行ってくるね」
「香里たちによろしく言っといてくれ」
「うん、任されたよ。……あっ、お昼だけどどうする？プールに行く準備で作るのすっかり忘れてたよ」
「……適当に、作る」
多分動けないだろうけど。
「出来るの？」
「本気を出せばなんだって出来るぞ」
「いまいち信用できないけど……」
名雪は訝しげな顔で俺のことを見た。
「コホッ……」
「うん？」
ヤバい。くらくらしてきた。
「ほら、さっさと行かないと遅刻してみんなに迷惑掛けるぞ」
俺はベットから立ち上がり名雪に近寄った。
「わたしそんなことしないよ〜」
「ほう、人を２時間も雪の中待たせたことを忘れたと言うのかね、名雪君は」
「あ、え〜と」
名雪は露骨に目線を逸らした。
「ほれほれ、真琴を連れて早く行け」
俺は名雪の背中を押した。
「分かったよ。じゃあ行ってくるね。……真琴ー、行こうー」
名雪はそう呼びかけると階段を下りて行った。
「ふぅー、これで大丈夫、だな」
俺はベットに向かった。
「はぁはぁはぁ……寝てれば何とか……はぁー、なるだろう」
これ以上動くのは相当キツイ。くそ、視界が歪む。
「そうと……はぁ……ヤバいな。ゴハッ、ゴホッ……」
俺は何とかベットに辿り着き手をついた。
「はぁはぁはぁ……後は寝るだ……け」
そこで俺の意識は途切れた。
夢、夢を見ている。
忘れられない辛い記憶。
真琴が消えた夢。真琴が俺の腕の中から消え去った夢。
「真琴？……まこ、と」
ちりんっ
真琴の手から鈴が零れ落ちた。
消えていく。真琴が粒子となって消えていく。
嫌だ、嫌だ。まだ俺はこいつを幸せにしていない。
離したくない、消えて欲しくない。
「真琴っ」
俺は風に乗って消えていく真琴に向かって必死に手を伸ばした。
……でも結局その手は空を掴んで……。
キュッ
「え？」
この手の感触は……。
そこで俺は目を覚ました。
「はぁはぁはぁ……え？」
伸ばした右手を誰かが握っている。
「目、覚めた？祐一」
「真琴？どうして……」
俺の手を握ってくれていた人物は真琴だった。
「えへ、心配だから戻ってきちゃった。あっ、名雪さんはみんなとプールに行ったわよ」
真琴は笑顔で答えた。
「なんで俺の手を……」
「え？……あの、祐一が必死に手を伸ばしてたからつい……迷惑、だった？」
真琴は不安げに訊いてきた。
「そんなことないぞ」
掴んで欲しい人だったんだから逆に嬉しい。
「そっか、良かった」
真琴はにこっと笑った。
「ふっ」
俺は軽く真琴の頭を撫でた。
「くすぐったいわよー。……でも、祐一」
真琴は真剣な目で俺の顔を見つめた。
「どうした、真琴」
「ビックリしたんだから……」
「え？」
「看病しようと思って部屋に入ったら祐一、ベットに持たれかかるように倒れてるし汗びっしょりで魘されてたからあたし怖くて……」
「そうだったの……え？」
パサッ
俺がベットから起き上がると額から濡れたタオルが落ちた。
「これ……」
「あっ、頭が熱かったからね」
「そっか」
「それだけじゃないのよ。苦労したんだから。祐一倒れてるから頑張ってベットの上に運んで汗かいてたから汗拭いて着替えさせて……」
「え？汗を拭いた？」
凄まじく聞き逃せない発言だ。
「じょ、上半身だけよっ」
真っ赤な顔で真琴は叫んだ。
「あっ、そういうことか。……すまなかったな」
「良いわよ。……あたしの所為だし」
「え？………そもそもなんで看病しようだなんて思ったんだ？」
「え？それは……心配だったし」
「そう言ってくれるのは嬉しいがプール、行きたかったんだろ？ふぅー、今からでも良いから行って来いよ」
俺がそう言うと真琴は時計を指差した。
「もう１１時半よ。今更行くのもどうかと思うしそもそもあたし場所知らないのよ」
「１１時半？……そんなに経ってたのか」
真琴たちが家を出たのが９時半だったからおよそ２時間俺は寝たってわけか。
「そう言う事……」
「けどさ、迎えに……ゴホッ、ケホッ」
言葉の途中で咳き込んでしまった。
「それに祐一全然大丈夫じゃないでしょっ。そんな祐一ほっとくわけにはいかないわよ」
「……ごめんな、気を使わせて」
「気にしなくて良いわよ。あたしが悪いんだし」
真琴は申し訳無さそうに目を伏せた。
「どう言う意味だ、真琴」
俺はそう訊ねたが。
「じゃあ、あたし下にいるから祐一はもうしばらく寝てなさいよー」
そう言い残して真琴は部屋を出て行ってしまった。
「一体なんなんだ？……ゴホッ、ゲホッ……ふぅー、もうちょっと寝るか」
あいつが上に上がってきてから訊けば良いか。
下に降りる気力も体力も俺には無かったからな。
そして俺は目を瞑り眠りに落ちた。
「何時だ、今」
目を覚ました俺はすぐさま目覚し時計を見た。
「１時か。……寝たなぁ」
ぐぅ〜
「風邪を引いても腹が空くとは。……自分の身体とはいえ呆れるな」
まっ、欲求に正直な身体なのだと思っておこう。
「ごほ、こほっ……腹減ったー」
下に下りれば何か食べ物があるかもしれない。
「何かあれば……良いけど」
俺はなんとかベットから降りた。
「はぁはぁはぁ……キツ……」
俺は部屋の扉を開き前を確認せずに歩き出した。
ドンッ
「きゃっ！」
「おわっ」
何かにぶつかった様な衝撃と可愛い悲鳴が聞こえたかと思うと俺の身体に熱い液体が降り注いだ。
「アチィー！！」
俺は思いっきり大声を上げた。
「え、わっ、ゆ、祐一？」
真琴の驚いた声がする。……ああ、そっか、真琴もいたんだ……ってなに冷静にコメントしてんだ。
「なんだこれっ」
「わ、えっと、服脱いだ方が良いよ」
「ああ」
俺は真琴に言われてすぐ上を脱いだ。
「あの、祐一」
「なんだ？」
「下も脱いだ方が良いよ。火傷しちゃうっ」
「じ、自分でやるからお前は触るなっ」
ズボンに手を掛けようとした真琴の手を掴み俺は叫んだ。
「あぅ……ごめんなさい。……ごめんな、さい」
真琴は項垂れた。
「外で待ってろ」
「あ、うん」
俺は中に入り扉を閉めた。
「はぁー、これ後で洗濯機に放り込んでくれないか」
俺は服を脱ぎながら真琴に話し掛けた。
「うん」
「ハックションッ……うー、しっかしこれじゃあ風邪が悪化しそうだな」
早く新しいパジャマを着ないと。
「ごめんなさい、あたし……」
「あっ、悪い。お前を責めた訳じゃないって。俺が前方不注意だったのが原因なんだからさ」
「う、うん……」
俺は真琴の返事を聞きながらパジャマを取り出し着替えた。
「じゃあ頼むな」
俺は扉を開け服を真琴に渡した。
「……うん」
真琴は受け取ると扉を閉めた。
「食事はもうちょっと身体の調子が良くなってから食うか」
それまで寝ていようと思って俺はベットに入ろうとした。
トントン
「……祐一」
「ん？真琴か」
「うん。入るね」
「ああ」
真琴はお盆を持って入って来た。
「どうしたんだ、真琴」
「……あの、祐一。加減どう？」
「あ、ああ。多少は調子を取り戻したけど」
けどもうちょっと寝ようかななんて考えてる。
「だったら……これ、ここに置いとくね」
そう言いながら真琴はお盆を机の上に置いた。
「何をだ？」
「……お粥。真琴が作ったの」
「え？」
真琴が作った？
「あと、さっき溢しちゃったけどこれも飲んでくれると嬉しいな」
「何を作ったんだ？」
俺はベットから起き上がりながら訊いた。
「……生姜湯」
「……え？」
「秋子さんに教えてもらったの。身体が温まるんだって。それに食事も頑張ったんだから。秋子さんや名雪お姉ちゃん、美汐たちに教えてもらって……けど」
「けど？」
「頑張って作ったんだけど………でもごめん、逆に迷惑掛けちゃって」
「まこ、と？」
「ごめんなさい。祐一に迷惑掛けるつもりなかったんだけどね」
「お、おいっ。俺は気にしちゃ……」
「薬、置いてあるから飲んでね。……じゃあ真琴、遊びに行くから」
そう言い終えると真琴は部屋を飛び出してしまった。
「お、おい、待て……ゴホッ、ゲホッ……」
俺はベットから降りようとしたが咳き込んでしまった。
「くそったれっ、こんな時に」
俺は悪態をつきつつ部屋のドアを開けたが。
パタンッ
無情にも玄関の扉が閉まる音がした。
「真琴……バカが。なに勝手に勘違いしてんだよ。俺は別に怒っちゃいないってのに」
俺はそう呟いて部屋に戻った。
「ん？ああ、これか……」
机の上にはお盆が置かれていた。
「お粥……か。……真琴が俺の為に……」
嬉しかった。でも出来ればあいつと一緒に食いたかった。
「食うか」
俺はそれを手に取った。
「驚いた。結構いける」
俺は真琴が作ってくれたお粥を一口食べて呟いた。
「あいつがここまでの物を作れるようになるとはな。………あとで褒めてやるか」
本当はすぐにでも褒めてやりたい。
「でもなんでだ。なんであいつは……あんなに責任を感じるんだ？」
いつものあいつはそんなんじゃなかったはずだ。逆に俺に迷惑かけても文句を言い出すようなやつのはずだ。
その怒り方が可愛いんだけど。
「わっかんねぇ」
俺はお粥を全て平らげ真琴が持って来てくれた薬を飲み再び布団に入った。
「うなぁ〜」
ぴろの鳴き声が聞こえる。
「う……ぴろ？」
俺は薄っすらと目を開けた。
時計を確認すると４時ちょっと前。かなり寝てしまったらしい
「うにゃうにゃ」
俺が起きたのを見て、ぴろは嬉しそうに擦り寄ってきた。
「どうやって入って来た。……真琴が……ごほっ……入れたのか？」
俺は額に手をやりながら訊いた。
「うにゃ」
するとぴろは違うとばかりに首を振った。
「お前、人間の言葉が分かるのか？」
我ながら馬鹿な事を訊いてるような気がする。熱で頭がボーっとしてる所為かな。
「うなぁ〜」
だがぴろはそれに答えず心配そうな鳴き声を上げるだけだった。
「心配してくれてるのか。……真琴、帰ってきたか？」
「うにゃ」
ぴろは首を振った。
「そっか。……お前のご主人様はどこ行ったんだろうな」
俺はぴろの体を撫でながら言った。
それになんであいつはあんなにも自分を責めたんだろう。
「俺、あいつのこと全然怒ってないのにさ」
「うにゃ」
ぴろはそれに答えるように鳴いた。
「はぁー」
俺は深い溜め息をついた。
「うにゃっ」
「え？」
俺がしばらく撫でていると突然ぴろが耳を立て鳴いた。
トンッ
そしてぴろは床に降りると僅かに開いた窓の隙間から抜け出し部屋を出た。
「窓、開けたっけか？」
鍵は掛けてなかったがきっちりと閉めてたはずだ。
ピシャッ
そう思ってたらぴろは後ろ足で窓を閉めてしまった。
「……ホントにあいつ猫か？」
いまいち自信が持てなくなった。
そしてしばらくすると……。
ガチャ
ドアを開ける音がした。
「ゆう、いち」
自分の服を握り締めながら真琴が部屋に入って来た。
「うん？お帰り、真琴」
「ただいま」
「肉まんでも買って……は来れないか。漫画でも買ったのか？」
「……ううん、違うよ」
真琴の声は少し元気が無い。
「……どうした、真琴。何かあ……ごほっ、げほっ」
まだ治っちゃいないらしい。
「やっぱりまだ……」
真琴はそう呟くと何かを決意したような顔をした。
「……どうした。なんでそんな顔をし……って、おいっ」
真琴は俺に抱きついてきた。
「なにいきなり布団に潜り込んで来てんだよ。なにか、嫌なことでもあったか？」
俺は真琴の頭を軽く撫でながら訊いた。
ぷるぷるぷる
真琴は思いっきりかぶりを振った。
「じゃあ一体……」
「……人肌で温めようと思って」
「はぁ？」
「それに人に移した方が早く治るって聞いたよ」
「な、なに言ってんだよ」
俺は真琴の言葉に戸惑ってしまった。
真琴はいったい何をしたいんだ。
「それと……こうしたら風邪がすぐ治るって漫画で描いてあったよ」
そう言いながら真琴は立ち上がると自分の服に手を掛けた。
「お、お前、どんな漫画見てんだよっ」
俺は慌てて真琴を止めようとした。けど……。
スルッ
俺の行動も空しく真琴の服は足元に落ちてしまった。
「あ、あぅ〜、下着じゃ恥ずかしいから水着だけど……」
真琴は言葉通り黒いワンピースタイプの水着を服の下に着用していた。
今日着ていくはずだったであろう水着。
「あ、えっと……」
俺は言葉を失ってしまった。
その水着は大人っぽくて可愛くて真琴にとても似合っていた。
ゴクッ
それ以上に女を感じて俺は思わず真琴の姿に見入ってしまった。
「祐一、顔赤い。……やっぱり風邪まだ酷いんだ」
「……ッ！！」
真琴の台詞を聞いて俺は自分を恥じた。
俺、真琴の事をなんて目で見てんだ。……最低野郎じゃねえか。
「だから、だから……好きにして良いよ」
「……え？」
「祐一の好きにあたしをして良いよ。真琴、祐一のためなら何だってするから」
「お、おいっ」
「み、水着脱がして良いよ。そ、それとも……真琴が脱ごうか？」
「待てって」
「あっ、もしかして服から脱がす方が好きだった？……ご、ごめんなさい。真琴、物知らないから、祐一に迷惑ばかり掛けてる子だから祐一の望むこと出来なくて」
真琴はすまなそうに項垂れた。
「そうじゃないっ。なに言ってんだお前っ。自分が何しようとしてんのか分かってんのかっ」
真琴の考えが分からない。
「分かってるわよ。自分が何をしてるのか。……あたしを好きにして良いって言ってるの」
「お前っ」
俺は思わず真琴の肩に手を掛けた。なんでこんな悲しいことを。
「祐一あたしの事好きなんでしょっ。だったら……だったら良いじゃないそれで。あたしも……あたしも祐一の事が好きなんだから問題ないでしょっ」
真琴は顔を真っ赤にしながら叫んだ。
「え？………そ、それでも、いやそれだから嫌なんだよっ。好きなやつにそんなことしたくねえよっ。初めてだろお前。なのにこんな状況で……」
こんなことでこいつを抱きたくない。真琴は大切なやつだからこんな身を捧げるみたいなことで……。
「良いの、別にっ。あたしはそれしかできないから。こんなことだけだもん、祐一の役に立てること」
その言葉に俺はキレそうになった。
「ふざけるなお前っ。いつ俺がそうしてくれって頼んだっ。俺、お前が傍にいるだけでうれ……ゴホッ、ゲホッ」
声を張り上げた所為で咳き込んでしまった。
「あっ………真琴の所為だ。またあたし祐一に……」
真琴は俺の様子を見てそう言葉を漏らした。
「違うっ。そうじゃないっ。……なに考えてんだよ、お前。なんでこんな事するんだよっ」
こいつにはこんなことして欲しくないのに。
「……だって、だってどうすれば良いか分かんないもん」
「……え？」
「真琴、どうすれば祐一に許してもらえるか分かんないから。真琴の所為で祐一、風邪引いたから何かしたくて……」
「なに言ってんだよ。俺、お前のこと怒ってないぞ。それに風邪引いたのはお前の所為じゃ……」
俺はそう言いながら真琴の頭を撫でようとした。
「真琴の、所為なの。……あたしがクーラーの温度低くしたから」
「へ？……どう言うことだ？」
俺がそう訊くと真琴はびくっと身を震えさせた。
「ごめんなさい。……ごめんなさい」
「どうしたんだよ」
「……あたしね、美汐と遊びに行ったの」
「ああ」
「で、あたし帰って祐一の部屋に直行したの。……祐一に見せたい物があったから」
「……何を、見せたかったんだ？」
「……水風船。祐一と一緒に遊ぼうと思ったから。……でも祐一お昼寝してて起きてくれなくて……。でね、あたし祐一に見せるために走って帰ってきたから暑くて……だから……だからクーラーの温度下げて涼んだの」
「……そうか」
だから低くした記憶のないクーラーの温度設定が低かったのか。
……でも真琴の独白は続く。
「うん。……でもそのうち秋子さんにおやつよって呼ばれて真琴、リビングに行ったの。……クーラーの温度戻すの忘れたまま……」
最後の方の台詞は消え入りそうだった。
「真琴……」
俺は思わず真琴の名を呼んでいた。
「ヒッグ、ヒッグ……ごめんなさい。あたし祐一を苦しませるつもりなん……グシュ、なかったのに……」
真琴は泣き出してしまった。
「そういうことか」
「うん」
「……バカだな」
俺は真琴の身体を抱きしめた。
「ゆ、祐一？」
「わざとじゃないんだろ。だったら怒らないよ」
そう言いながら俺は真琴の頭を撫でた。
「……ありがとう祐一。でも……でも真琴……自分が許せないっ」
真琴はそう言って俺の手を振り解くと服を持って部屋を出て行ってしまった。
「おいっ、待てっ」
俺は追いかけようとしたが身体がいうことを聞かなくて部屋を出るのが精一杯だった
パタンッ
真琴の部屋の扉が閉まるのが確認された。
「……馬鹿野郎、お前は楽しく笑ってりゃ良いんだよ。思い詰めるなんてお前らしくないって」
俺はそう呟くとベットに戻った。
「……しばらく、時間置くべきか」
真琴が自分を追いつめた理由が分からないからどうしようもない。
時間が解決するのを待つしかないのだろうか。
「……でも、何かしたい」
自分の無力さを感じながら俺は眠りに就いた。
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